日頃お世話になっているあの方には、王道のボルドーを。ビジネスの大勝負の場では、プレミアムな希少ワイン。ワイン通のあの方をお招きするなら、新世界のワインでサプライズ! など、ワイン賢者・渋谷康弘氏が5つのシチュエーションに合わせてワインをセレクト。コロナ禍とはいえ、年末は何かと贈り物や集まりが多いシーズン。考え抜いた渾身の1本を送れば、大切な方々への感謝の気持ちも伝わるはず。
すごさの理由があるので王道中の王道を贈ります
今回は王道中の王道を選びましたが、ワインを贈る際は「誰もが知る有名ワイン」であることが重要です。どこかで銘酒と耳にしたことのある銘柄だと、受け取る側も安心しますよね。王道には王道ならではのバックグラウンドがあり、何がすごいのか、ストーリーがきちんと用意されています。人にワインを差し上げると、相手の方はなぜこのワインだったのかと考える。その謎解きを相手の想像に委ねるのも、なかなか興味深いゲームなんですよ。
手土産に選ぶ1本
シャトー・ムートン・ロッチルド 2013
¥90,000
毎年、世界の一流アーティストがラベルを飾るムートンは、どなたにも喜ばれるワイン。2013年は韓国籍で日本を拠点に活躍する現代アーティスト、李 禹煥(リ・ウーファン)のミニマルなデザインです。ムートンは米国オーパス・ワンの株式を半分所有し、熟成用の小樽まで供給しているため、ワインの味も近しい個性を持ち合わせていて面白いですよ。
ゲストのおもてなしに
シャトー・ラトゥール 2012
¥95,000
「わかりやすさ」に重きを置いた1本です。ラトゥールって誰でも発音できるし、覚えやすい。それにグッチやボッテガ・ヴェネタを所有するピノー家のシャトーだとか、オリジナルの塔は百年戦争の時の砦(とりで)だったなど、話のネタに尽きません。誰も味わっていない、今年リリースされたばかりの2012年を先取りで選ぶのもポイント。
プチギフトとして
シャトー・ラフォリー・ペイラゲ 2015
¥20,000
ラリックのオーナー、シルヴィオ・デンツ氏が所有するシャトーホテルで造られる甘口の貴腐ワインです。ボトルまでラリック製で、美しいレリーフが施されています。飲み終わったら、空瓶を飾っても美しい。最近、こうした甘口ワインは忘れ去られがちですが、オレンジピールを添えて、オンザロックで飲むスタイルがお洒落です。
自分へのご褒美に
ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ モンラッシェ 1996
¥1,200,000
世界で最も希少かつ高価な白ワインです。あのロマネ・コンティより生産量が少なく、年間に約3,000本程度しか造られません。僕は赤白両方含めて、世界で一番美味しいワインだと思います。香りはロマネ・コンティ、味はモンラッシェ。このふたつはもはや世界遺産。自分へのご褒美は、これ以外には考えられません。
本気の勝負ワイン
ドメーヌ・アルマン・ルソー シャンベルタン 2013
¥330,000
英雄ナポレオン1 世が愛したといわれるワイン。このひと言がエグゼクティブのハートに刺さります。ジュヴレ・シャンベルタンには特級畑が9つありますがその最高峰。力強さとともに優美さを備えたシャンベルタンを造るアルマン・ルソーこそ、赤ワイン造りの名人ともいえます。相手に最高の敬意を表す証として贈りたいですね。
「ザ・コンコルド・ワインクラブ」とは?
渋谷さんが主宰する会員制ワインクラブ。入手困難な古酒や希少なワインを渋谷さんが世界中のネットワークから探してくれる。
住所:東京都千代田区外神田2-15-2 新神田ビル3F
TEL:0120-428-394
Yasuhiro Shibuya
グランクリュ・ワインカンパニー 代表取締役社長。1964年生まれ。長年ソムリエとして活躍し、2017年にグランクリュ・ワインカンパニー設立。高級ワインを自社輸入して販売。富裕層向けに「ザ・コンコルド・ワインクラブ」を主宰。
※上記5本は「ザ・コンコルド・ワインクラブ」での販売価格。