GOURMET

2020.06.05

日本料理 久丹|新富町の隠れ家。日本料理の新星が放つ凛とした世界観に酔いしれる

毎年恒例のゲーテレストラン大賞「ゲーテイスト」。今回も秋元 康さん、小山薫堂さん、中田英寿さん、見城 徹の食を愛する4兄弟が集結、ここ1年のお薦めのレストラン(全52店)を教えてもらった。 8店目は、 10年連続ミシュランの三つ星を守り続けている『かんだ』で研鑽を積んできた中島功太郎さんの店。

日本料理 久丹

和食の美学を大切に心を込めてもてなす

――福岡の温泉旅館で料理人をしていたが、『料理の鉄人』の森本正治氏の料理に衝撃を受けて渡米。『NOBU』の前身、『Matsuhisa』で研鑽を積んだ。帰国後『鮨 秋月』を経て『かんだ』で10年修業、2018年に独立。

見城:10年連続ミシュランの三つ星を守り続けている『かんだ』で研鑽を積んできた中島功太郎さんの店です。早々と星をひとつ取っていますよ。

秋元:独立されていたんですね。

見城:2年前に新富町にひっそりと。小さな看板のみで、知る人ぞ知るという隠れ家風。インテリアも素敵ですよ。入るとまず待合があって、杉の木のベンチでひと息つける。いきなりカウンターっていう造りにしていないところに、客への心配りや店主のストイックさを感じるよね。

中田:モダン和食ですか?

見城:正統派だけど、コースの流れや素材使い、調理法に独自の世界観、美学が貫かれていて、1品1品「へぇー」って感心する。料理に合わせた器使いにもセンスが溢れ、ごちゃごちゃ盛りつけることなく、シンプルに旬の香りや味わいを楽しむことができるんだ。料理もインテリアもすべてが凛として美しい。

小山:見城さん、『かんだ』のすき焼きが好きでしたよね?

見城:すき焼きも進化していますよ。ふわふわの卵に包まれて出てくるのをひと口で食べる至福。季節によってはしゃぶしゃぶで出てくることも。あと、鮨屋の経験もあるから、口直し、みたいなタイミングで細巻きの鉄火巻きが品よく出てきたりもする。

秋元:個室もありますか?

見城:ありますよ。あとね、最終入店が22時で、遅めの食事でも対応してくれますよ。

秋元:いいですねー。行きたいな。

見城:いや、もうここは行くべき未来の名店ですよ。

味を深めるために陳ねさせた天かぶを使った蕪蒸し。

味を深めるために陳ねさせた天かぶを使った蕪蒸し。菜の花の花の部分は刻んで葛餡に加え、葉は油を塗って炭火で炙っている(料理はすべて¥25,000のコースの一例)。

「甘鯛のお頭焼きと京都・塚原産の筍」。

「甘鯛のお頭焼きと京都・塚原産の筍」。骨でとった出汁をかけていただく。

「河豚と春大根のお椀」。

「河豚と春大根のお椀」。河豚の旨味を生かすよう出汁の風味は控えめ。「じわじわと舌に広がる滋味に癒やされる」(見城)

待合には杉のベンチが。

待合には杉のベンチが。ここでひと息ついたのち、檜の一枚板、真っ白な塗り壁のカウンター席に。座間もゆったりしている。

Kutan
住所:東京都中央区新富2-5-5 新富MSビル1F
TEL:03-5543-0335
営業時間:18:00~最終入店 22:00
休業日:日曜・祝日
座席数:カウンター7席、個室6席
料金:コースは ¥25,000
https://kutan.gorp.jp/

※現在、レストランの営業時間、休業日など記載の情報と異なる場合があります。ご来店時は事前に店舗へご確認ください。

TEXT=藤田実子

PHOTOGRAPH=土居麻紀子

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