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2025.08.14
GHQの「戦争有罪キャンペーン」が日本人の歴史認識を大きく変えた
1945年の終戦から1952年までの約7年間、日本は連合国軍総司令部(GHQ)の支配下に置かれ、大きな変革を経験しました。この「占領期」の日本では何が起こっていたのでしょうか? 『占領期日本 三つの闇 検閲・公職追放・疑獄』より内容を抜粋してお届けします。
内幸町の放送会館で放送検閲
1945年8月15日、昭和天皇によるラジオ放送(玉音放送)が終戦を広く国民に告げたように、まだテレビのない当時、ラジオ放送の影響力はとても強かった。唯一のラジオ局が日本放送協会(1946年から「NHK」を放送で使用)。戦中期には軍部の放送機関と化した日本放送協会に代わり、GHQは民間放送の新設も検討したが、当時の日本の経済状況から民放開設は時期尚早と見て、NHKの改革、指導を進める。

NHK東京放送会館は、東京・内幸町の現「日比谷シティ」にあった。進駐軍がNHK本体の地上6階のうち大半の計4階分(階の内訳は後述)を占拠して、放送検閲などを始める。大通りを挟んで日比谷公園の市政会館と向き合っているから、新聞と放送の主要メディア検閲がこの地区でほぼ同時に連日行われることになった。
NHKへの検閲はプレス・コードに準じたラジオ・コードをもとにして実施されたが、新聞とは異なる点もあった。ニュースについては、記事ごとに日本文2通と、英文訳1通をGHQの検閲機関のCCDに提出した。検閲結果にはOK、一部削除、全文禁止、保留の4種があった。
NHKを動かしたもう一つの機関・民間情報教育局
解説、講演その他の報道・教養番組では、日本文3通、英文概要3通をそろえ、各2通はCCDに、各1通をこの放送会館内に同居するGHQの「CIE」(民間情報教育局)に提出していた。CIEはメディアを指導しながら、日本国民の考え方を切り換えて、民主化、非軍国主義化させることを目指した機関である。軍国主義化した日本人を「洗脳」して、アメリカナイズ(米国風に)したとも言われる。
CCDが非公然の検閲機関で日本人に気付かれないよう活動していたのに対し、CIEは「アメリカ文化センター」などを開き、日本国民に見える形で活動を進めていたので、この名を知る人は少なくない。つまり、NHKは放送会館の中でGHQの二つの機関による二重の監督を受けながら、占領期の放送を続けていく。

日本人の意識変革のため、CIEの初期の活動で注目されたのが「戦争有罪キャンペーン」だ。敗戦したこと、日本が起こした戦争の侵略性、つまり日本軍の戦争は悪(有罪)であり、日本の苦難を招いた軍国主義者の責任などを、日本人に理解させることを目指した。
CIEは、米国から見た日米戦争の歴史をまとめた「太平洋戦争史 真実なき軍国日本の崩潰」を、開戦記念日に合わせて45年12月8日から、連日10回の連載キャンペーンとして全国の新聞に一斉に掲載させた。この新聞連載のラジオ版となる30分番組「真相はかうだ」(当時は「こうだ」をこう表記)がCIEの指導で制作され、日本放送協会のラジオ放送で新聞掲載の翌日(日曜日)夜8時から、毎週、10回にわたって放送された。
この一連の番組が、聖戦と信じていた日本人の太平洋戦争に関する歴史認識を大きく変えることになっていく。しかし、番組内容には、広島の原爆は軍事施設に投下された、など事実と違う点もあり、また翻訳調の言い回しもあったので、日本放送協会への苦情も多かった。
だが、この番組を批評した記事は、雑誌など出版物を含めて検閲で全文削除となった。プレス・コード、あるいはラジオ・コードで、連合国やGHQの占領政策への批判が許されなかったからである。GHQが、日本人に知らせたくない情報を検閲で隠すCCDと、日本人にすり込みたいことを宣伝していくCIEを巧みにコントロールしながら、占領下の日本支配を推し進めた実像が浮かび上がってくる。
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