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2024.08.05

ググった時点で始めている! 行動科学マネジメントの「考える」と「始める」の大きな違い

英会話、資格の勉強、ダイエット、禁煙など、始めたいのにできない人には共通の傾向があった……! 行動科学マネジメントの第一人者、石田淳さんが誰がやっても成果を出せる実践的メソッドで「始め方」を指南。『始める力』より、一部を抜粋してお届けします。

スマートフォンを操作する女性の写真

あなたは、もう「始めている」かもしれない!?

なにかを始めるとき、いったいどの段階をもって、それを「始めた」と言えるのでしょう。

行動科学マネジメント理論では、いくら頭の中で綿密な計画を立てていても、それが頭の中で行われている限り、始めたことにはなりません。どんな小さなことでもいいから、“行動”を起こしたときに、「始まった」と判断します

たとえば、あなたが「中国語を勉強しよう」と思ったとしましょう。

「どこの教室に通えばいいかな」

「それとも、NHKの講座を聴くのがいいか」

「そもそも、もう中国語は時代遅れだろうか」

などと、頭の中でいくら考えていても、それは始めたことにはなりません。

一方、具体的に情報収集を行ったなら、始めたと言えるでしょう。

たとえば、グーグルの検索ボックスに「中国語」と打ち込んだ瞬間に、あなたは始めています。なにか参考書はないかと、書店に足を運んだ瞬間に、あなたは始めています。

「ダイエットしなくちゃ」とため息ばかりついているうちは「始められないダメな人」でも、体重計を購入するという行動が起こせれば、立派に始めています。

自分では意識もしないような小さなことでも、なにかしら行動したなら始めているのです。

そう考えると、「自分はなにも始められない」と嘆いている人の多くは、案外もう始めているのに、それに気づいていないだけなのかもしれません。

もし、あなたがすでにほんの小さな行動を起こしているなら、始めていることに気づいてください。そして、「あ、できている」と大いに自信を持ってください

最初は「小さな一歩」でも、想像以上の地点まで到達できる

なにか小さなことを始め、ふと気づくと、当初の予定よりもはるか遠くに到達していることがあります。だから、始めるってとても面白いのです。

私のマラソンがまさにそうです。

週に2回、30分のウォーキングを始めた私にとって、フルマラソンを完走するのが夢でした。

「ハーフマラソンがせいぜいかもしれないけれど、フルマラソンを走れたら最高だな」

そんなときが本当に来るのか、当時の私は半信半疑でした。

歩いている人の足元の写真

ところが、それから5年も経たない今、100キロマラソンはおろか、サハラまで完走した私がいます。「次には南極大陸を走ってみたい」などと考えている私がいます。

最初から大きな目標など掲げなくたって、コツをつかんで始め、継続すれば、とてつもないところまで到達できるのです。

ビジネスにおいても同様です。

私は、アメリカで「行動科学マネジメント」という素晴らしい理論に出会い、それを多くの日本企業に取り入れてもらおうと今の仕事を始めました。しかし、当初は、ここまで広く受け入れられるとは思っていませんでした。むしろ、スケールアップなど考えず、無心で始めたのですが、それが良かったのかもしれません。

あのイチロー選手が、幼い頃からプロ野球選手を目指して練習してきたことは有名です。しかし、イチロー選手だって、スタートは「小さな一歩」だったことに異論を唱える人はいないでしょう。

幼い頃にはプロ野球選手を目指して、プロ野球選手になってからは日々の成績アップのために、ストレッチや素振りなどの基礎訓練を欠かさずにやってきた。それを繰り返していたら、いつの間にか、大リーグの記録を塗り替えていた……ということではないでしょうか。

まさに、「平凡の積み重ねが非凡を生んだ」わけです。

アップル社の創業者で、惜しまれて亡くなったスティーブ・ジョブズも、最初は小さなガレージからスタートしました。そのときは、まさか、自分の事業がここまで大きくなるとは思わなかったでしょう。

でも、どんな大きな事業も、誰かが「始めた」から存在します。始めなければ「ない」のです。創業者が、自分がやりたいことについて、ただ「小さな一歩」を踏み出しただけ。「始める」とは、実に価値ある行動だとわかるでしょう。

この記事は幻冬舎plusからの転載です。
連載:始める力
石田淳

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