HEALTH
2024.06.22
メジャーリーガーを指導してきたトレーナーが教える、ムリなく勉強を「習慣化」する方法
『ロジカルダイエット 3か月で「勝手に痩せる体」になる』の著者で、数々のトップアスリートを指導してきたパーソナルトレーナーの清水忍さんは、ダイエットや筋トレのみならず、あらゆることの「習慣化」の達人でもあります。そんな清水さんに、英会話や資格取得などの勉強をムリなく「習慣化」する方法を教えてもらいました。※本記事は、 Amazonオーディブル『武器になる教養30min.by 幻冬舎新書』より、〈【前編】清水忍と語る「『ロジカルダイエット 3か月で「勝手に痩せる体」になる』から学ぶ論理的な痩せ方」〉の内容を一部抜粋、再構成したものです。
「時間をつくるのが難しい」あなたへ
── 先生は最近、英語の勉強に力を入れているそうですね。きっかけは何だったのですか?
私が指導させてもらっている菊池雄星選手(米大リーグ・ブルージェイズ)と初めて会ったのは、彼が19歳のときでした。当時の彼は、英語なんてまったくしゃべれなかった。
ところが、メジャーリーグに行くと決めたとたん、すさまじい勢いで英語の勉強を始めたんです。どんどん上達して、入団会見のときには、どの英語の先生に聞いても「パーフェクト」と認めるくらい上達していました。今ではペラペラで、通訳もまったく必要ありません。
最近も、メジャーリーグに行きたいという願望を持っている、ある選手が英語の勉強を始めたところ、みるみる上達していきました。私もある程度、英語はできると自負していたのですが、あっという間に抜かれてしまい、これではいけないとやる気が入ったんです。
── 具体的には、どのような勉強をしているのですか?
1日3時間、英語を勉強する環境に身を置くようにしています。朝、ふだんより3時間早く起きて、絶対に英語を勉強する。それを3か月くらい続けたことで、だいぶ加速してきた感覚があります。
単語とか、文法とか、リスニングとか、やらなくてはいけないことはいろいろあるのですが、中身は他の人とあまり変わらないと思います。それより大事なのは、いかに続けるかです。どんなに方法が優れていても、続けなければ「そっち側の住人」にはなれません。
── 先生は非常に忙しい毎日だと思うのですが、時間はどうやって捻出しているのでしょうか。
「時間をつくるのが難しい」と、お客さまからもよく言われますが、最初からスケジュールの中に入れてしまえば、それほど困難なことではありません。
「時間があったらやろう」という発想だと、「時間がないからできない」という言い訳が成立してしまいます。だから、時間があろうがなかろうが、この時間はやるんだと最初から決めてしまう。たったそれだけのことなんです。
「そっち側の住人」になるためには?
── 最初はむりやりでも、習慣にすることが大切なのでしょうか?
ストレスは決して悪いものではありませんが、ストレスが強すぎると習慣になる前にやめてしまいます。なので、「これだったらやっていける」と思えるレベルに設定することが大事だと思います。
「逃げたい」と思いながら嫌々やって、それで短期間でやめてしまうくらいなら、自分が受け入れることのできる環境に身を置いてください。
「これだったらやっていける」というレベルは、人それぞれ違います。私はふだんより3時間早く起きて勉強することが、たまたまそれほど苦ではなかっただけで、「1日30分、絶対に勉強する」と自分で決めることができたなら、それでもいいと思います。もし早起きがストレスになるなら、昼間に10分×3回やったってかまわない。
最大のポイントは、そうやって自分で決めたことを3か月続けることができたら、それはもう自分にとってストレスではなくなっているということです。
── そんなことが起きますか。
起きます。私がこの仕事の勉強を一生懸命やるようになったのは、30代半ばになってからなのですが、当時は時間も忘れて勉強に没頭していました。
というのは、「しなくてはいけない」という強制ではなくて、「お客さまを指導するための知識を得たい」という願望のほうが強かったからです。
ただ筋トレが楽しくてやっていたときと違って、お客さまの指導をしたい、人に影響を与えられるようになりたい、体を変えられるようになりたい、健康を増進できるようになりたい、そうした願望が強くなっていたので、自動的に勉強の質が上がっていきました。
だから、学校の勉強とはまったく違う感覚なんですね。欲しくて欲しくてたまらないものを、自分で手に入れている感覚でした。
そうすると「そっち側の住人」になれるので、勉強することが普通のことになります。15分、時間が空いたらもう本を読んでいるんですよ。すき間時間に勉強することが習慣になるので、1日の勉強量がどんどん増えていく。
「そっち側の住人」になると、わざわざ時間を取らなくても勉強できるんだなと実感しましたね。このようにして、「そっち側の住人」に少しずつ足を踏み入れていくことが大事なんだと思います。
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