究極の腕時計とは、いかなる環境であっても正確に時を刻み続けることができる時計である。リシャール・ミルはその夢の実現のために、テニス界のスタープレイヤー、ラファエル・ナダルに協力を依頼し、激しいプレイ中においても着用できる時計の開発を目指した。そして2010年にお披露目された「RM 027 トゥールビヨン ラファエル・ナダル」が、その挑戦の始まりとなったのだ。
数々の偉業を支えたリシャール・ミルという伴走者
この時計をつけたナダルは、全仏オープンで5度目の優勝を飾り、さらに同年ウィンブルドンと全米オープンも制覇して、「キャリア・グランドスラム」も達成。ナダルに勝ち運をもたらした時計として、リシャール・ミルの名は広く知られるようになる。
その後も、リシャール・ミルとナダルのパートナーシップは続き、「RM 027」シリーズは、2020年にかけて5モデルを発表。独創的な素材とメカニズムを採用し、究極の腕時計へと一歩ずつ近づいていった。そしてラファエル・ナダルが引退する2024年に、シリーズ最終章として登場したのが「RM 27-05 フライング トゥールビヨン ラファエル・ナダル」だ。
テニスコートで磨かれた究極のスポーツウォッチ
本モデルで追求したのは、究極の軽さと強さ。ポイントは新素材のカーボンTPTⓇB.4。これはカーボンの層を70度傾けて重ね合わせ、特殊な樹脂を染みこませて高圧圧縮したもので、従来のカーボンTPTⓇよりも密度が4%、繊維の剛性が15%、樹脂の強度が30%も向上。剛性を失うことなく、ケースの薄型化と軽量化が可能になった。
搭載ムーブメントも軽くて薄型の設計で、フライングトゥールビヨンながら、厚みはわずか2.12mm。これは超薄型ウォッチ「RM UP-01 フェラーリ」を開発した際の薄型技術のノウハウを取り入れたものだ。難易度の高いフライングトゥールビヨン式にしたのも、ブリッジのパーツ分を軽くするため。こういった軽量化で時計はさらにタフになり、1万4000Gを超える耐衝撃性能を実現した。
しかし、なぜリシャール・ミルとナダルは、ここまでの挑戦を続けることができたのだろうか? それはトップランナーとして鍛錬を重ね、業界全体の進化に寄与しようという意識があったからかもしれない。これもまたノブレス・オブリージュのひとつの形といえるだろう。
両者の信念から生まれた究極の腕時計は、軽く、強く、そして美しい魅力に満ちている。
リシャール・ミルの使命と責任
“ノブレス・オブリージュ”とは、高い社会的地位には義務が伴うという意味の言葉。高度なエンジニアリングと斬新なデザイン、そして最先端の素材をマリアージュさせることで、誰も見たことがない美しい時計をつくり、愛好家たちに“夢”を与えたい。それがリシャール・ミルの考え方だ。
さらにリシャール・ミルでは、物質的な豊かさの提供だけでなく、心の豊かさも兼ね備えていくべきと考え、チャリティ活動にも力を入れる。サポートする団体は国内外に広がっているが、オーナーもこういった活動に参加できるように、チャリティオークションなども開催している。
リシャール・ミルを愛する人々は、時計を通じて夢を分かち合うことができる。それこそがリシャール・ミルが考える、“ノブレス・オブリージュ”の形なのだ。
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リシャールミルジャパン TEL:03-5511-1555