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2024.06.29

ジャガー・ルクルトCEOが語る、精度への飽くなき情熱「最も大切にしていることは“伝統を守ること”ではない」

ジャガー・ルクルトは1833年創業の歴史あるマニュファクチュールだが、最も大切にしていることは“伝統を守ること”ではない。精度という本質を追求するためには革新が必要だと、CEOは語る。ジャガー・ルクルトはその黎明期から精度向上への情熱を持ち続ける、唯一無二のマニュファクチュールなのだ。

カトリーヌ・レニエ氏
Catherine Rénier/カトリーヌ・レニエ
CEO。フランス生まれ。1999年にボストン大学を卒業後、カルティエにてキャリアをスタート。2003年、「ヴァン クリーフ&アーペル」に移り、アジア太平洋地域プレジデントなどを務める。2018年より現職。

CEO就任から7年目。革新し続けるという命題

「精度とは、我々の基本的な価値観です」と、ジャガー・ルクルトのCEO、カトリーヌ・レニエ氏は語る。

「創業者のアントワーヌ・ルクルトは、エンジニアであり、発明家でした。彼は精密な部品をつくる機械を製作し、各部品の精度を測定する『ミリオノメーター』で、優れた時計職人のひとりになりました。高精度なパーツから生まれる高精度のムーブメントこそが、メゾンの不変の価値であり、190年の歴史を通じて私たちを支え続けます」

そんなジャガー・ルクルトの、精度追求への姿勢を示すのが、新しくなった「デュオメトル」だ。そのルーツは19世紀末にあり、ジャガー・ルクルトにとっては他では真似できないシグネチャームーブメントである。同時に技術革新を示す遺産であることを語るため、ポケットウォッチを彷彿とさせる丸みを帯びたケースや風防を持っている。

「豊かな歴史を持つメゾンは、伝統を守りながらも、常に革新し続けなければいけません。新しい技術や素材を探求し、時計製造の分野でのリーダーであり続けること。そして築き上げたブランドの価値観やストーリーを伝える、デジタルプラットフォームやソーシャルメディアを活用すること。革新し続けることが未来へとつながるのです」

傑作とされるものも、誕生した当時は革新的な時計だった。数々の名機に彩られたジャガー・ルクルトの歴史は、まさに革新の歴史でもあるのだ。

「メイド・オブ・メイカーズ」の最新コラボレーション

「メイド・オブ・メイカーズ」は、時計製造以外の分野のアーティストやデザイナー、職人との共創を通じて時計製造と芸術世界を重ね合わせていくプログラム。2024年のコラボレーション相手とは――。

コラボ1.「Trésind Studio」シェフ|ヒマンシュ・サイニ

目の前の瞬間に立ち向かうことで、精度を上げていく

ヒマンシュ・サイニ氏
Himanshu Saini
「Trésind Studio」シェフ。ドバイの人工島・パームジュメイラにあるミシュラン二つ星インド料理店、「トレシンド・ストゥディオ」を拠点とするインド人シェフ。「食材の科学者」という異名を持つ。

「ジャガー・ルクルトの哲学やクラフトマンシップ、そして精度への探求などは、自分のレストランと通じるものがあります。私はシェフですが、”精度”という点では、レシピに正確であるよりも、むしろ感情を持って料理に向き合いたい。素材やスパイスは、その瞬間瞬間で変化していくもの。だから、レシピに固執せずに目の前の現実に立ち向かう。それが私にとって料理の精度を上げることなのかもしれません。すべての時間がインスピレーションの源なのです」

コラボ2.ライトペインティングアーティスト|ロイ・ワン

精度を高めるために、徹底的に準備をする

ロイ・ワン氏
Roy Wang
ライトペインティングアーティスト。大学を卒業後、ラグビー選手として来日。2010年にコベルコ神戸スティーラーズと契約するも、怪我のため引退。中国に帰国後、ライトペインティングアーティストへ転身し、現在は世界規模で活躍中。

「カメラの長時間露光で光の軌跡を記録し、新しい世界を創造するのがライトペインティングです。作品はカメラの先でしか見ることができないため、最終的な作品の完成度を高めるためには、”精度”が重要。暗い環境では、光を使って複雑なグラフィックを描く必要があり、身体のわずかな揺れが、最終的な画像に影響を与える。だから必要な手順や詳細を準備し、成功率を高めていきます。それは高精度時計をつくるためのノウハウと似ているかもしれません」

問い合わせ
ジャガー・ルクルト TEL:0120-79-1833

TEXT=篠田哲生

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