なぜ、人は高級腕時計を必要とするのか? ライフスタイルが変化し、新しい働き方やモノとの付き合い方が出てきている今こそ、改めて「自分にとっての腕時計を身につける喜びや幸せ」について考えてみるいい機会なのではないだろうか。今回は、ハリー・ウィンストンの「プロジェクト Z15」を紹介する。
審美眼とはこういうこと
餅は餅屋ということわざがある。特に、長い歴史の積み重ねと技術の継承が求められる時計業界においては、その傾向が強かった。しかしCADによる設計や工作機械の進化、さらには時計コングロマリットの誕生によって、他業種であってもノウハウを得やすくなっている。もちろんそれだけでは物事は上手くいかないが、ハリー・ウィンストンは、ニューヨークのジュエラーという出自を生かし、その創造性によって時計業界でポジションを確立した。
「プロジェクト Z15」は、限定モデルのシリーズで、航空宇宙産業で使用される特殊金属ザリウムをケース素材に使用するのが鉄則となっている。それだけでも異色だが、さらに時分秒針が独立している古典機構レギュレーターをモダンに仕上げ、秒針は30秒のレトログラード針を採用。それまでの時計業界の常識を軽々と飛び越える創造力を発揮している。
仕事に邁進していると、つい業界の常識で物事を判断しがちではあるが、本当の答えは、違う場所にあるのかもしれない。“NOT餅屋”な時計は、自由とはこういうものだと示唆している。それを選び取ることから、新しい視界が開けるのだ。
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ハリー・ウィンストン クライアントインフォメーション TEL:0120-346-376