2022年も高級ウォッチブランドから続々と届く新作情報。その中から、新鮮な驚きや価格以上の満足感が味わえる”活きのいい”モデルを厳選する連載「意欲的新作ウォッチ」! 第122回は、チューダーの「レンジャー」を取り上げる。【過去の連載記事】
冒険家のために作られた「レンジャー」
チューダーのツールウォッチの歴史を語る上で「レンジャー」を外すことはできない。その起源は、ロレックスの創業者ハンス・ウイルスドルフが、チューダーを商標登録してから3年後の1929年まで遡る。この当時、「レンジャー」という名称は特定のモデル名を指すものではなく、冒険的な要素を加える時に使用されていた為、非常に多くのバリエーションが展開されてきた。1960年代に入ると、夜光塗料が塗布されたアラビアンインデックスと特徴的な針が登場し、現在に繋がるデザインコードが確立される。
一方、チューダーがツールウォッチとしての信頼を獲得したのは、1952年7月8日から始まったイギリス海軍によるグリーンランド遠征隊の冒険である。この時、メンバーが着用していたのが、チューダー初となる自動巻きと防水性能を備えた「オイスター プリンス」であった。極寒の環境で使用されたことで得られたデータは、「レンジャー」へとフィードバックされ、コレクションに進化を促した。
グリーンランドへの遠征隊から70年周年を数える2022年、チューダーは「レンジャー」の最新作を発表。クイックアジャストクラスプを搭載するスチール製ブレスレットと2種類のストラップの全3モデルの用意がある。
往年のデザインコードを踏襲しつつも、39mm径の大幅なサイズアップに加えて、先端にバーガンディカラーを採用した秒針などの新たなディテールを取り入れている。信頼性の証である自動巻きムーブメントはCal.MT5402を採用。日差が-2秒から+4秒の精度、約70時間のパワーリザーブを備えている。
ファッションや気分に合わせて選択できるブレスレットやストラップにも注目したい。とりわけフランスのジュリアン・フォール社製のストライプが入ったオリーブグリーンのストラップと、ファブリック調の型押しが特徴的なブラックレザー×ナチュラルラバーのハイブリッドストラップは、個性的な腕元を演出するにもうってつけのアイテムだ。
かつて冒険家のために作られたツールウォッチは時を超えて、現代のライフスタイルに対応するマルチな1本として帰還を果たした。
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日本ロレックス / チューダー TEL:0120-929-570