2022年も高級ウォッチブランドから続々と届く新作情報。その中から、新鮮な驚きや価格以上の満足感が味わえる”活きのいい”モデルを厳選する連載「意欲的新作ウォッチ」! 第121回は、F.P.ジュルヌの「ヴァガボンダージュ I ゴールド」と「オクタ オートマティック」を取り上げる。【過去の連載記事】
独自のストーリーに彩られたF.P.ジュルヌの最新作
1982年、25歳の時に自身の手で懐中時計式トゥールビヨン搭載のクロノメーターウォッチを製作して以来、天才時計師フランソワ-ポール・ジュルヌは機械式時計の本質にある美術工芸品としての魅力を備えた作品を、伝統に裏打ちされた技術をもとに独自の解釈を加えながら表現し続けている。
氏が腕時計の製作に着手したのは1991年、「トゥールビヨン・スヴラン」のプロトタイプからであり、1999年から次々と革新的なモデルを発表し、時計業界における地位を不動のものにしている。
近年では、オークションの世界でも爆発的な人気を誇り、2021年の「オンリーウォッチ」に出品された映画監督フランシス・フォード・コッポラの発案から製作されたユニークピース「フランソワ-ポール・ジュルヌFFC ブルー」は、日本円で約6億7332万円で落札され、独立時計師系のブランドとして史上最高額の記録を更新した。
ここでは、2022年の新作として発表された2つのメンズウォッチを紹介する。1本目の「ヴァガボンダージュ I ゴールド」は、18年前から始まった「ヴァガボンダージュ」の3部作の最後を締めくくる記念すべきタイムピースだ。つまるところ、このモデルの立ち位置は、2004年に世界限定69本でプラチナケースで製作された「ヴァガボンダージュ I」の完成形に等しい。
18Kローズゴールドケースに収められた手巻きムーブメントCal.1504.2はアップデートの最たる証であり、信頼性をより一層高めている。世界68本限定と製造本数が非常に少ないことから、発表と同時にコレクターズピースに仲間入りした。
2021年、F.P.ジュルヌの初の自動巻きコレクション発表から20周年を記念し、世界99本限定で発売された「オクタ オートマティック」。今年、その新たなバリエーションとして、40mm径、もしくは42mm径のプラチナ及び18Kローズゴールドケースのモデルがコレクションに追加された。
F.P.ジュルヌらしい独創的な文字盤には、左側に120時間までのパワーリザーブ表示と瞬時にジャンプする大型日付表示、右側には時・分・秒を表示するギョシェ装飾を施したスターリングシルバー製のオフセットのサブダイヤルが配置され、美しいブルースチール針が彩りを与えている。
また、ゴールド製の自動巻きムーブメントCal.1300.3は、約160時間のパワーリザーブを備え、約120時間にわたり高い精度を保持する。オフセットしたゴールド製ローターは、ボールベアリングシステムを組み込んだ片方向巻上げ式を採用し、いかなる姿勢でも最適な巻上げ効率が確保される。
空前のラグジュアリースポーツウォッチのブームが続く最中、独自の時計製造で比類のない輝きを放つF.P.ジュルヌのタイムピース。希少性も相まって、その価値や注目度は今後もさらに高まることが予想される。
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F.P.ジュルヌ東京ブティック TEL:03-5468-0931