2022年も高級ウォッチブランドから続々と届く新作情報。その中から、新鮮な驚きや価格以上の満足感が味わえる”活きのいい”モデルを厳選!連載第109回は、ヴァシュロン・コンスタンタンの「ヒストリーク・222」を取り上げる。連載「意欲的新作ウォッチ」
世界中の愛好家たちが待ち望んだ「222 "ジャンボ”」の復刻モデル
ヴァシュロン・コンスタンタンの伝説的なスポーツウォッチ「222」の誕生から45年経った今年、「ヒストリーク」コレクションから待望の復刻モデル「ヒストリーク・222」が発表され、世界中の時計コレクターから歓喜の声が上がっている。
ヴァシュロン・コンスタンタンがスポーティなデザインに着手したのは、1963年に発表した両方向回転ベゼルを備えた「ターノグラフ Ref.6782」に始まる。'75年には、ブレスレット一体型のステンレススチールモデル「クロノメーター・ロワイヤル Ref.42001」が登場した。
これに続いて、'77年、創業の222周年を記念して発表されたブランド初のスポーツウォッチが「222」であった。このコレクションは「オーヴァーシーズ」の始祖的な存在にあたり、近年はヴィンテージウォッチとしても高い人気を集めている。デザインを担当したのは、後に時計デザイナーとして名を馳せるヨルグ・イゼックだ。
今回の復刻にあたって、ヴァシュロン・コンスタンタンがこれまで発表した「222」のモデルから選んだのは、37mm径の18Kイエローゴールド製のRef.44018。愛好家の間では「222 "ジャンボ”」と呼ばれる1本だ。
スポーツウォッチとして機能を備えつつも、ドレスウォッチさながらの薄型のケースや2針の文字盤は、驚くほどイエローゴールドとマッチする。「ヒストリーク・222」は再現性にこだわりつつも、ヴァシュロン・コンスタンタンが2022年のテーマに掲げる「The Anatomy of Beauty" (美の構造)」というテーマに基づき、要所ごとで現代的な時計製造の技術を駆使して魅力的な1本に仕上げている。
オリジナルの「Ref.44018」が裏蓋がない2ピース構造であったことに対して、「ヒストリーク・222」では最新の薄型自動巻きムーブメントCal.2455/2を搭載するとともに、サファイアガラスのシースルーバックに仕様を変更。針とインデックスにはスーパールミノバコーティングを施すことで視認性を格段に強化した。
オートオルロジェリーとしての矜持は、バーティカルサテンブラッシュ仕上げのリュウズとブレスレット、サーキュラーサテン仕上げのベゼル、ポリッシュ仕上げのインデックス、手作業で面取りした輪列、コート・ド・ジュネーブの装飾模様を施したブリッジ、ペルラージュ模様を施した地板などのきめ細やかな仕上げからも感じられる。
ブレスレットについては細部まで見直しが行われ、新たに3枚ブレードのクラスプを装着し、リンクの連結ピンを隠すことで装着感を向上させている。
今年は例年にも増してゴールドウォッチの新作が充実しているが、その中でも「ヒストリーク・222」の完成度は目を見張るものがある。幸運にも手に入れることができたオーナーは、現代のライフスタイルにもよく馴染む、このモデル特有のタイムレスなデザインを思う存分堪能できるはずだ。
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ヴァシュロン・コンスタンタン TEL:0120-63-1755