2021年も高級ウォッチブランドから続々と届く新作情報。その中から、新鮮な驚きや価格以上の満足感が味わえる”活きのいい”モデルを厳選! 連載第92回は、ロジェ・デュブイの「エクスカリバー Gully モノトゥールビヨン」を取り上げる。
カラフルなレタリングとトゥールビヨンの完璧なる融合
高度なウォッチメイキングにおいて異業種とのコラボレーションは時に想像を超える化学反応を呼び起こすことがある。ハイパーウォッチの伝道師としてひた走るロジェ・デュブイはこの手法を好み、数々の傑作を世に送り出してきた。
アーバンアートトライブコレクションの第二弾として登場したフランスのグラフィティアーティスト・ガリーとの協業による「エクスカリバー Gully モノトゥールビヨン」は、ブランドが目指す高みであるハイパーオロロジーの世界観を体現している。
すでに存在している写真や広告などを作品に取り入れながら文脈を書き換えるアプロプリエーションという手法を用いるガリーは、ハイパーレアリズムからポップアート、シュールレアリズム、キュビズムなどのアートをひとつの世界にまとめ上げる作風を得意とする。今回のコラボレーションでは、オートオルロジュリーとグラフィティアートの融合に挑んだ。
このようなコンセプトの設定によって、結果的に「エクスカリバー Gully モノトゥールビヨン」は既存のトゥールビヨンウォッチと異なるインパクトを残すことに成功している。ダイヤル上には、ロジェ・デュブイのアイコンである星をモチーフとして取り入れ、シングルラインと呼ばれる技法による1本線で「Gully」の文字によるレタリングを表現。そこへ蓄光性のカラーラッカーを塗布させることでいまだかつてないエキサイティングな1本が誕生したのだ。
最高水準の品質であることを証明するジュネーブ・シールが確認できるキャリバーRD512SQについても触れておこう。トゥールビヨンの軽量化によって、パワーリザーブを約72時間まで延長させることに成功したムーブメントは、ハイエンドウォッチを日常で扱うことを好む次世代の富裕層のライフスタイルにフィットする。
アート作品や超複雑機構に求められる所有する喜びや高揚感が凝縮されたコラボレーションは、まさにロジェ・デュブイの真骨頂にほかならない。世界限定8本の超希少モデルは幸運にも日本での展開がある。この機会にブティックで心躍る体験を味わってみてはいかがだろうか。
問い合わせ
ロジェ・デュブイ TEL:03-4461-8040