2021年も高級ウォッチブランドから続々と届く新作情報。その中から、新鮮な驚きや価格以上の満足感が味わえる”活きのいい”モデルを厳選!連載第87回は、チューダーの「ペラゴス FXD」を取り上げる。
ネイビーブルーを纏う強靭な特殊仕様のダイバーズウォッチ
チューダーの歴史を語る上で、フランス海軍のサプライヤーとして1960~'80年代までダイバーズウォッチを納入していたことは欠かせないエピソードである。
チューダーとフランス海軍との関係は'56年から始まり、正式にダイバーズウォッチが採用されたのは'61年のことだった。それから数多くのモデルが採用された中で最も有名なのが、ブルーのベゼルとダイヤルを纏ったRef.9401であろう。
'70年代半ばに誕生したこのモデルは、'80年代まで継続してフランス海軍に提供されていたという公式での記録が残されている。ケースバックに「M.N.」のイニシャルと製造年がエングレーブされたこの品番には、ふたつのバージョンが存在する。とりわけ「スノーフレーク」針とスクエアのアワーマーカーを備えた前期のモデルは、今もなおヴィンテージウォッチとして絶大な人気を誇っている。
これらの伝説を復活させるために、フランス海軍の権威ある戦闘ダイバー部隊として知られる“コマンドー・ユベール”の協力のもとに開発されたのが、「ペラゴス FXD」と名付けられた特殊仕様のプロフェッショナルウォッチなのだ。
数十年の時を経て新たに開発されたダイバーズウォッチは水中ナビゲーションのための機能に特化している。グレードX1のスーパールミノヴァを塗布したパーツを中心に、0から60までの目盛りが反時計回りにあしらわれた両方向に回転するベゼル、ケース本体に固定されたストラップバー、マットな質感によって光の反射を制限するため全体にサテン仕上げを施したチタンケースなどの採用のすべてがそれにあたる。
これらとはまた別の意味で「ペラゴス FXD」にとってストラップは極めて重要なパーツだと言える。なぜなら、フランス海軍は、チューダーにダイバーズウォッチをブレスレットなしで発注し、ファブリックストラップを装着して使用していたという歴史的な背景があるからだ。
このモデルのために、チューダーはフランスのジュリアン・フォール社に製作を依頼し、新しい構造のストラップを開発。グレーのラインが入ったネイビーブルーのポリエチレン製織りリボンにセルフグリップ着脱システムを組み合わせたストラップは、あらゆる手首に快適にフィットする。この他に、テキスタイルモチーフがエンボスされたワンピースのラバーストラップとチタニウム製のバックルも付属する。
誇り高いネイビーブルーを纏うチューダーのダイバーズウォッチは、過酷な環境や任務に耐えうるタフさのみならず、流行に左右されないタイムレスなデザインを両立させている。それゆえに真の意味で水陸両用を満たしている優れたツールウォッチだと言えるだろう。
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日本ロレックス / チューダー TEL:0120-929-570