両名の腕に収まるは、世界限定50本という超希少な「RM 027 トゥールビヨン ラファエル・ナダル」。数々のハイエンドウォッチを手にしてきた起業家にとって、心揺さぶる時計は仕事にどんな意味を与えるのだろうか?
時計愛好家の友情を紡いだ希少なリシャール・ミル
起業家のmotoさんと実業家の @Ryochan5711 さん(以下Ryo)は、インスタグラムでつながる時計愛好家仲間だった。そして1本のリシャール・ミルをきっかけに、より深い付き合いが始まった。
moto ずっと気になっていたリシャール・ミル「RM 0 27 トゥールビヨン ラファエル・ナダル」を所有していたのが、Ryoさんでしたね。
Ryo 僕がこの時計を手に入れたのは2年前。認定中古品ですが、ひと目惚れでした。そしてmotoさんもこれを探していると聞いて、絶対買うべきだってアドバイスをしたんです。
moto 2010年発売モデルなので、当然新品はない。正規認定中古で探しましたが、結局2年ほど待ちました。まだ手元に来たばかりですが、“上がり時計”といっても過言ではない。
Ryo 僕もこれを超える時計はまだ出会ってないかも。約10年前のモデルですし、機構や構造はどんどん進化しているけど、初代ナダルは独特の雰囲気があるんですよね。
moto 派手さがなく、色味もシンプルで使いやすい。だからほぼ毎日使っています。
Ryo 祖父がロレックスを持っていて、時計を楽しむことは自然なことでした。就職してからパネライを買ったのがきっかけでムーブメントにも興味が湧き、そこから深みに……。パテック フィリップの「ノーチラス 5711/1A」に出合い、“上がりの時計”として手に入れたつもりが、むしろ入り口でしたね。
moto 時計に終わりはないですよね(笑)。だからこそ仕事を頑張ろうと思える。
Ryo そうですね。ハイエンドウォッチを買い始めたのは、会社が軌道に乗り始めた時期と重なるかも。仕事と時計は連動性がある。欲しい時計を買いたいという気持ちがモチベーションになり、同時に仕事で結果を残した証しでもある。motoさんもそうですよね?
moto まさにそうです。仕事も時計も自分のステージを上げた先にある気がします。仕事のステージが上がれば、時計のステージも上がっていく。僕は2018年頃からパテック フィリップを中心に蒐集し始めましたが、ステージが上がるたびにコレクションが増える(笑)。
Ryo motoさんのコレクションには一貫性がありますよね。僕は迷いながら探していくのが楽しい。でも時計は無限にあるから、難しい。趣味や趣向も見えてきますしね。
moto 僕の場合は日常で使えるか否かを基準に買っているんです。ハイエンドウォッチのなかでも実用性に優れたものだけを選んでいる。派手さよりも使いやすさが大事なので。
Ryo 家に飾りがちになるよりも普段からしっかりと着用したいですよね。最近は、日本の時計が気になる。クレドールのほかに、「NAOYA HIDA & Co.」や、「KIKUCHI NAKAGAWA」のような独立系ブランドにも注目しています。
moto 僕はミニット・リピーターに注目しています。実は来年の2月に、パテック フィリップのミニット・リピーター「5078G」が納品されるのですが、ナーバスな機構とはいえ、可能な限り日常使いをしてみたいと思っています。
Ryo 素晴らしいです! でも、くれぐれも汗や水分には気を付けてくださいね。
moto はい(笑)。新しい時計は働くためのモチベーションになるだけでなく、世の中の市況感や各メーカーの戦略、いろいろな方との繋がりもできるので勉強になりますね。
Ryo 買う時はビビりますが、それはすなわち自分のセンスを信じるということでもある。仕事に求められる決断力を、養っているともいえますね。
FAVORITE WATCHES of moto
リシャール・ミル/RM 027 トゥールビヨン ラファエル・ナダル(右から)
パテック フィリップ/ノーチラス永久カレンダー 5740/1G
パテック フィリップ/アクアノート 5168G
「リシャール・ミルは、正規認定中古販売店NX ONEにて購入。歴史や伝統、品質などに惚れこんだパテック フィリップは都内の正規販売店で購入しています。特にノーチラスが好きで、この永久カレンダーモデル以外にも、三針モデルやコンプリケーションモデルなどを複数本所有。ラバーストラップのアクアノートも、夏に活躍するモデルとしてコレクション。高価で希少であっても、日常的に使える時計を選んでいます」
FAVORITE WATCHES of ryochan5711
クレドール/ノード叡智Ⅱ(右から)
パテック フィリップ/グランド・コンプリケーション 5004G
リシャール・ミル/RM 027 トゥールビヨン ラファエル・ナダル
「海外モノだけでなく日本の時計も好きで、セイコー創業140周年の記念となるクレドール ノード 叡智Ⅱは、ダイヤル違いで3本購入。さらに、ヌーベル・レマニア社製の美麗ムーブメントを搭載するパテック フィリップ グランド・コンプリケーション5004もケース素材違いを3本所有しています。時計の歴史や文化的背景に敬意を払い、自分の審美眼にかなったモデルに対しては、惜しみない愛情を注いでいますね」
moto
本名は戸塚俊介。起業家。moto株式会社代表取締役。自身の事業を上場企業へM&Aして現職。著書に『転職と副業のかけ算』(扶桑社)。
ryochan5711
幅広くビジネスを展開する大阪在住の実業家。機構や仕上げにもこだわり、深く広く時計を収集。同じモデルを色違いで集めるなど、審美眼もユニーク。アート蒐集にも興味あり。