オーデマ ピゲの2020年新作の中で異彩を放つコレクションがある。それが、こちらのレディスウォッチ、「ロイヤル オーク コンセプト フロステッドゴールド フライング トゥールビヨン」である。超複雑機構の新境地を切り開いたハイエンドウォッチの詳細について述べていこう。
ケースに煌めきを与えるフィレンツェ伝統のジュエリー技法
高級時計のあり方を模索し、先進的な時計を手掛ける「ロイヤル コンセプト」は、「ロイヤル オーク」の誕生30周年を記念して2002年に発表されて以来、前衛的なデザインと、超複雑機構を搭載する最上級のクラス感を持つモデルを常に提案し続けている。
これまでメンズではハイテク素材を用いることが多かった同コレクションだが、一方のレディスでは、ジュエリーウォッチの側面を強化するという方針に基づいた力強いヴィジュアルを打ち出している。
新作の魅力を語る上で、第一に触れるべきポイントが、18Kピンクゴールドと18Kホワイトゴールドで展開されるフロステッドゴールド仕上げのケースにある。
フィレンツェの伝統的なジュエリーの技法であるフロステッドゴールド仕上げは、ジュエリーデザイナーのキャロリーナ・ブッチとの出会いからはじまった。ちなみに、「ロイヤル オーク コンセプト」での採用はこのモデルが初である。
ダイヤモンドダストを彷彿させる質感とベゼルの面取り部分のポリッシングとのコントラストは、「ロイヤル オーク コンセプト」が持つ固有のケースフォルムの美しさを際立たせている。
また、伝統的な技法を最大限に引き立たせる深いブルーを身に纏うアリゲーターストラップも見逃せない。このほかに星座をモチーフにしたテキスタイル加工が施されたブルーのラバーストラップが付属する。
非日常へと誘う至高のダイヤルデザイン
さらに、何にも増してこの時計を特別な存在に押し上げている要因は、6時位置のフライングトゥールビヨンケージを起点に4つの円がブルーの陰影を描く、いまだかつてない多層構造のダイヤルだろう。
グラデーションと立体的な効果を生む、陰影のニュアンスやサンバーストモチーフなどに見られる高次元の仕上げは、美術工芸品さながらの超絶的な技工によって成り立っている。
ブリリアントカットダイヤモンドを施した円環状のフライングトゥールビヨンケージはその最たる例として挙げられる。
ご覧のように、この時計のダイヤル上にアワーマーカーが一切ないが、これは計器としてのゴールよりも、究極のラグジュアリーウォッチを目指している証だと言っても過言ではない。
レディスウォッチとしては極めて稀なフライングトゥールビヨンを備えるために、このモデルのために自社製ムーブメントのCal.2964が搭載されている。
最後に、その他の「ロイヤル オーク コンセプト」と同様、38.5mm径のケースはボリューム感があるため、男性でも問題なく着用できることも付け加えておこう。
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