新型コロナウイルスが世界を一変。ウオッチシーンも例外ではない。4月末から5月初旬にかけて開催予定だったジュネーブでのWATCTES & WANDERS(旧称SIHH)や、世界最大の時計宝飾エキシビション、バーゼルワールドをはじめ、各地で新作発表会が中止や延期を余儀なくされている。一体新作はどうなるのか!? しかし心配ご無用。主要ブランドからは、新作情報が続々と届いている。そんななかから、リアリティのあるプライス設定で、新鮮な驚きや価格以上の満足感が味わえる“活きのいい”モデルを厳選! こんなときだからこそ、暗雲を吹きとばすような時計のパワーを改めて感じて欲しい。
『モンブラン ヘリテイジ モノプッシャー クロノグラフ』
1858年に創業し、特にクロノグラフに定評のあった名門ウオッチブランド、ミネルバ。同社がモンブランの傘下となったのは2006年のことだった。以来、モンブランは、ミネルバ社のDNAを生かしたモデルを登場させてきたが、『モンブラン ヘリテイジ プロダクトライン』の中で、この動きをさらに押し進めるスタンスを示した。それを象徴する新作が『モンブラン ヘリテイジ モノプッシャー クロノグラフ』である。
ファセット仕上げのラグを特徴とするラウンドケース、わずかに中央に膨らみを持たせたドーム状のサーモンピンクのダイヤル、これに呼応するクラシカルな雰囲気のドーム状のサファイアクリスタル、ドット状のインデックスなど、40~50年代にミネルバが製造したモデルからのインスピレーションによる、ネオダンディズムが香るヴィンテージ・テーストが味わい深い。
イタリアはフィレンツェにある、リシュモンプレテリア社製のストラップも、シックなニュアンスを添えている。
オン/オフ/リセットをひとつのプッシュボタンで操作するモノプッシャー クロノグラフも、往年のミネルバを彷彿させるものだ。3時位置の分積算カウンターをよく見ると、3、6、9分のインジケーターが強調されているのが分かる。これは、往年のコイン式公衆電話の通話時間を意識したもの。
こんなディテールの演出も、なかなか心憎い。