PERSON

2024.05.24

70代、未だ衰えぬ色気の理由は……女性!? 舘ひろし&柴田恭兵が語る大人セクシーの秘密

2024年5月24日より公開中の映画『帰ってきた あぶない刑事』。主演の舘ひろしと柴田恭兵が語る、男の色気とは。 #インタビュー前編

笑う舘ひろしと柴田恭兵/映画『帰ってきた あぶない刑事』

「僕、草野球で盗塁めちゃくちゃしますから」柴田恭兵

1986年のドラマシリーズ放映開始から38年、『あぶない刑事』の映画最新作が8年ぶりに公開となる。

撮影当時、舘ひろし73歳、柴田恭兵72歳。38年前と変わらぬ激しいアクション、そしてその流し目の色気は38年前を凌駕するほどだ。

生涯現役、そんな言葉が似合うふたりに、その身体作り、そして未だパワーアップし続ける色気の理由を聞いた。

――激しいアクションも多かったですが、体力作り、体調管理はどうされましたか?

舘ひろし(以下、舘) 体調管理ですか? 逆にみなさんがどういうことをされているのか知りたいくらい、なにもやってないんです(笑)。

柴田恭兵(以下、柴田) 舘さんは、お酒はそこまでお飲みにならないし、タバコもずいぶん昔にやめましたよね?

 そうですね。でも僕は、ジャンクフードが大好きなんです。ハンバーガーフリーキーと呼ばれるほど(笑)。まぁ、恭サマ(柴田)は走るシーンがたくさんありますけど、僕の見せ場はバイクシーンなので、そこまで体力使いませんしね。

柴田 僕は、撮影に向けてしたことといえば、よく食べて、よく眠って、よく笑うということ。

あとは昔から趣味でずっと草野球をやっていまして、今は数チーム掛け持ち、多い時ですと月に10試合くらいあるんです。だから普段から結構走っているほうだと思いますよ。

頭の片隅に『あぶない刑事』の撮影がまたあるかもしれない、なんていうのがあって、ここまで野球を頑張っていたのかもしれません。盗塁とか、僕めちゃくちゃしますから(笑)。

 恭サマはお酒まだ、変わらず飲んでる?

柴田 はい、変わらずに、ガンガン(笑)。

 すごいよね。それであんなにキレのある走りするんだもん。

柴田 いや、70歳過ぎてますから、当然スピードも遅いし、アクションも緩くなりますよ。でもそれがいいんだと僕は思います。一生懸命やってここまでです、っていうのをお見せすることが大事かなと。

笑う柴田恭兵/映画『帰ってきた あぶない刑事』
柴田恭兵/Kyohei Shibata
1951年静岡県生まれ。1975年俳優デビュー。ドラマ『赤い嵐』、映画『チ・ン・ピ・ラ』などで主演。『あぶない刑事』のヒット以降数々の刑事ドラマに出演。近年はドラマ『両刃の斧』『舟を編む ~私、辞書つくります~』などに出演。

「ハードボイルドだけど、お茶目。そんな男にグッとくる」舘ひろし

――舘さん演じるタカと、柴田さん演じるユージの色っぽさが、本作も全開でした。70歳を過ぎてなお、なぜセクシーでいられるのでしょうか。おふたりにとって男の色気とはどういうものだと思いますか?

 色気か……。僕はただの女好きだから……(笑)。

柴田 タカという役も、舘さん自身もね(笑)。でも今回は、タカかユージの娘かもしれない女性を演じた土屋太鳳さんと舘さんのシーンが忘れられません。

舘さんの土屋さんへの優しい眼差しは本当にダンディーで、僕も痺れましたよ! 『あぶない刑事』38年のなかでも、他の作品でも、舘さんのあんな優しい目を見たことがありませんから。本当に素敵でした。

 僕は子供を持ったことがないので、娘かもしれない女性との距離感なんて想像することしかできません。けれど、恭サマは土屋さんと並ぶ時に、自然とちょうどいい距離感を保っていらっしゃったので、ああ、さすがだなぁと惚れ惚れしましたよ。

柴田 僕にとって男の色っぽさって余裕だと思うんです。僕が演じるユージという役は、普段からちょっとふざけていて、本当に危ない場面もサラリとかわしていく。すごくカッコいいですよね。

あとは、舘さん演じるタカも、そして舘さんご自身もそうなのですが、本当に困った時に助けてくれる、チームを大事にする男が色っぽいと思う。

 たしかに、ユージはハードボイルドだけど、どこか余裕があって、しかもかわいくてお茶目。そういうところは僕でもぐっときちゃうよね。

インタビューに答える舘ひろし/映画『帰ってきた あぶない刑事』
舘ひろし/Hiroshi Tachi
1950年愛知県生まれ。1976年俳優デビュー。同年『男組、少年刑務所』で映画初主演。ドラマ『西部警察』などで人気を博す。2024年には映画『ゴールデンカムイ』が公開。現在は連続ドラマ『ブルーモーメント』にレギュラー出演中。

「おじさんたち、こんな感じでいきますが、いかがですか」とお見せする

――歴史ある作品ですが、今回は若いスタッフが中心となり制作されました。若い人と働くということは、おふたりにとってどんな経験でしたか?

 とにかく、若い彼らと仕事をするのが楽しかったんですよ。

監督は、過去の『あぶない刑事』シリーズでお世話になった原隆仁監督の息子さんの原廣利さん。他のスタッフも「子供の頃から、『あぶない刑事』を見ていました!」という方ばかり。そういう方たちが今っぽい映像を作ってくれてすごく刺激的でした。

あとは単純に、昔は撮影時間が短かったんですよね。フィルムの節約などあったのかもしれません。今はもう、たくさん撮影して、そのなかで1番いいものをつないでいくという手法で。そういうことも僕は楽しめましたね。

柴田 皆さん僕らの娘息子世代でして。だから初日の撮影で、いきなりタカとユージで入ろうと、ふたりでキメキメで撮影に入ったんです。舘さんなんかは現場でハーレーを流し乗りして。

「みなさん、はじめまして。おじさんたち、こんな感じでいきますが、いかがですか」とお見せするような気持ちでした。けれどそこから「タカとユージだ! あぶない刑事だ!」という感じで、みなさん盛り上がってくださった。僕らのわがままにも付き合ってくださいましたね。

 僕が今、74歳で、恭さまは72歳でしょう。昔だったらすごいおじいさんじゃない。それなのに、みんなに期待してもらって、すごくありがたいです。

柴田 ほんと。『あぶない刑事』、いつまでやるんでしょうね。

舘ひろしと柴田恭兵/映画『帰ってきた あぶない刑事』

TEXT=安井桃子

PHOTOGRAPH=杉田裕一

STYLING=中村抽里(舘)、古舘謙介(柴田)

HAIR&MAKE-UP=岩淵賀世(舘)、澤田久美子(柴田)

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