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2023.01.08

未来のアントニオ猪木を探せ! オカダ・カズチカによる闘魂レスラー発掘プロジェクト始動!

創立50周年イヤーを迎えたプロレス団体、新日本プロレスが、年齢不問、身長不問で入門希望者を募集。全国から約300人を超える応募があった。そのなかから練習生として10人が選ばれ、トレーニングがスタート。メンバーには中学生もいる――。

オカダ発掘

メンバーには中学生も! プロレスラーへの道を切り拓くのは誰だ!?

次世代スターを発掘するプロジェクトリーダー兼トレーナーはオカダ・カズチカ。新日本プロレスの真夏の祭典、2022年開催のG1 CLIMAX 32覇者で新日本のエースだ。トレーニングの様子は、2023年1月9日から10回にわたってフジテレビ系列で放送される。

「次世代のスターの育成はずっと考えていたことです。僕が新日本プロレスのトップの象徴であるIWGPヘビー級チャンピオンのベルトを初めて腰に巻いたのは2012年。あれから10年、新しいスターは生まれていません。このままではいけない、新しい才能を育てなくてはいけない、と思い続けてきました。若い選手がどんどん増え、どんどん強くなって、新日本を盛り上げていってほしい。今の新日本プロレスは最強です。ただ、スタイルが画一化している気がしています。新しい個性が生まれてほしい」

こう話すオカダ。プロジェクトの中心は入門テストへ向けてのトレーニング。トレーニングで生き延び、入門テストに受かってはじめてプロレスラーへのスタートラインに立つことができる。

オカダは、プロジェクトのスタートで3つのテーマを挙げた。

➀基礎体力をつける

➁闘うマインドをつくる

➂プロとしてのパフォーマンスを意識する

ひとつ目の基礎体力の鍛錬には、まずはスクワットを500回、プッシュアップ(腕立て伏せ)を30回×10セット、首を鍛えるブリッジを3分間行う。さらにオカダ流のトレーニングを加え、力をつけていく。

「プロジェクト始動当初は、僕が想定していたよりもレベルが低いという印象を練習生には持っていましたね」

オカダはきっぱりと言う。

「僕が用意した練習メニューをなかなかこなせない状況でした」

それでも、心配はしていない。

「本気でプロレスラーになりたいと思っているなら、努力するはずですから」

練習生たちの姿にオカダは15歳のときの自分の姿を重ねている。

「僕は中学を卒業してすぐに闘龍門というプロレス団体に入門しています。その時点で格闘技の経験はありませんでした。スポーツ経験は野球と陸上です。闘龍門もスクワットは500回からスタートでした。でも、ほんとうにそんなにやらされるはずはないと思っていたんですよ。500回なんてファンタジーの世界でしょ、と。ところが実際に500回やれと言われて、びっくりしました。もちろん最初は150回でまいってしまいました。僕ができないと、連帯責任で全員が最初からやり直しです。みんなにとって、僕はほんとうに迷惑な存在でした。そんな僕を同期たちは責めませんでした。励ましてくれた。僕は稽古以外の時間も、スクワットやプッシュアップをやって基礎体力をつけていきました。少しずつ、少しずつ」

オカダ練習生2

©新日本プロレス

ふたつ目の闘うマインドを育てるには、自分の実力の客観視から始まる。

「プロレスラーを目指す人はほとんど過信しているんですよ。自分を強いと思いこんでいます。だから、自分は弱い、力がないということをわかってもらいたいなと。弱い自分を知れば、僕が見ていない時間もトレーニングするようになるでしょう。15歳の僕がそうだったように。今の練習生は仕事や学校があり、僕が直接指導できる合同トレーニングは週末だけです。それだけでは力はつきません。月曜日から金曜日にどれだけ自主的に追い込めるかが大切です」

3つ目のプロとしてのパフォーマンスとは、常に自分が見られていると意識すること。プロレスは対戦相手だけに集中するわけにはいけない。常に客席も意識して闘わなくてはならない。

「君たちは見られているんだよ」

オカダはくり返し伝えている。

「このプロジェクトはテレビ放映されます。頑張っている姿も弱いところも放送されてしまう。それを強く意識してトレーニングに励んでほしい。力尽きて弱音を吐いたり、泣いたりしたら、もしデビューしても、応援してもらえないかもしれない」

闘う気持ちを表現してほしい。それを厳しく伝えている。でも、なかなか理解されない。オカダ自身10代のころ、師匠のウルティモ・ドラゴンに「もっと気持ちを出せ!」と言われた。しかし、何を言われているのか、理解できなかったという。

「必死に闘っていたし、声も出していたし、なにが足りないんですか? と思っていました」

師匠の言葉が理解できたのは、メキシコで闘った後、新日本プロレスに移籍後、20代になってからだった。

「ライガーさん(獣神サンダー・ライガー)や永田(裕志)さんと闘い、やっとわかりました。あの人たち、リングに上がると、本気で気迫を出してくるんですよ。キャリアの浅い僕にも手加減しなかった。“喧嘩番長”と言われた金本(浩二)さんも恐ろしかったです。ヤング・ライオンと言われる若手だった僕に対しても容赦なく来ましたから。僕も本気で向かっていって先輩相手でも躊躇なく頭を蹴っ飛ばした。でも、返り討ちにされました。そういう本気の戦い、怒りは会場に伝わる。そういうプロレスラーとしての闘いは、肌を合わせることで教え込まれました。あのころ、ウルティモさんの言葉がようやく理解できました」

オカダが若手の頃に先輩たちに教えられたことを今、闘魂レスラー発掘プロジェクトで練習生に伝授している。

10人のなかから何人が入門テストに合格してプロレスラーになれるのか――。新日本プロレスから目が離せない。

オカダ練習生

「THE スピリット~闘魂レスラー発掘プロジェクト~」(CX)
放送:2023年1月9日スタート 毎週月曜 24:25~ 全10回 ※初回25:05~
出演者:スタジオリアクターレギュラー/長谷川忍(シソンヌ)、池田美優  進行/豊崎由里絵  プロジェクトリーダー兼コーチ/オカダ・カズチカ

TEXT=神舘和典

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