アスリート、文化人、経営者ら各界のトップランナーによる新感覚オンラインライブイベント「Climbers(クライマーズ)」。その第5弾が、2022年11月14日から6日間にわたって開催され、ビジネスパーソンを大いに熱狂させた。今回、heart relation 代表取締役CCOの小嶋陽菜さんによる特別講義を一部抜粋して掲載。すべての講義を聴くことができるアーカイブ配信はこちら。※'22年11月20日〜11月30日18時までの無料限定公開。申し込みは画面内右上もしくは下の「視聴登録はこちら」より
一人の力よりも、みんなの力
2017年、29歳でAKB48を卒業しました。グループの卒業後は女優や個人のファンクラブを作り、ライブを中心にしたソロ活動を続けていくのがよくあるスタイルですが、私にはピンときませんでした。
私はAKB48時代、歌もまあまあ、トークもまあまあという平均的なメンバーで、「個性がない」と言われて悩んだ時期もありました。秋元康さんからは、「平均的な優等生じゃダメ。わがままな女になりなさい」と言われたのが印象に残っています。自分の「好き」を貫くことが個性になるし、わがままに見えてもそこにおもしろさを感じてくれる人がいる。そういうものだと。
そんな秋元さんの教えもあって、自分らしく発信するためのプラットフォームとなるアプリを作りたいと思ったんです。
ただ開発を進めていくうちに、アプリの更新って当時だととても大変だということに気がつき諦めました(笑)。ですがアプリ内で販売しようと思っていた洋服は作りはじめていたので、ブランドを作って小さくスタートしてみることにしました。
その後ライフスタイルブランド「Her lip to」を立ち上げ、'20年には会社化。現在はheart relationの代表取締役CCO として、商品企画やクリエイティブ制作のほか、ブランド運営全体に携わっています。
ブランドの売り上げ自体は好調です。'21年には前年比2倍近くの伸びを達成しました。でも、ブランドの成長に対して、組織づくりがまったく追いついていない。私はチームに所属する一員として活動した経験はありましたが、運営する立場は未経験。たとえば、社員がメンタル的にまいった時にどう対処していけばいいのか、全然わかっていませんでした。
スタッフ全員が輝くためには?
そこで、意識を変えることにしました。私は素晴らしい経営者になるために、一から経営を学ぼうとしていましたが、それよりも経営のスキルがある人に仲間に入ってもらいたいなと。そのほうが、社員みんなの価値が確実に上がるだろうと思ったんです。'22年2月、フリークアウトの安倉知弘さん、サイバーエージェントの岡田寿代さんに加わっていただき、heart relationは新経営体制で動き始めました。
新しいスタッフの採用活動は、私自身も積極的に参加しました。募集を出したところ、約700名の応募。すべての書類に目を通し、面接をして、採用する人を決めました。「Her lip to」のブランド価値を高めるためには、ブランドを立ち上げた私が「この人と働きたい」と思える人を選ぶのがいいと考えました。採用するかしないかで迷った時は、「秋元さんだったらどうするか」と考えたこともありました。
現在、heart relationは社員40人、アルバイトや契約社員を入れて約90名の規模になりました。スタッフは女性がほとんどで、全体の9割を占めています。そんななかで私が心がけているのは、まず自分が輝くこと。常におしゃれを楽しんでいようとか、髪はいつもきれいにしていようとか。ロールモデルになれるような人間でいられるように心がけています。
それから、自分からどんどん声をかけていくという意識。重要なことじゃなくても、いいんです。「髪型、いつもと違うね」とか。私自身もそうですけど、些細なことでも周囲が気づいてくれると嬉しいし、働くモチベーションが上がります。
heart relationはまだまだ始まったばかり。チャレンジ精神を大切に、いろんなことを学んでいきたいと思っています。
小嶋陽菜さんの講義全文を動画でチェック。※2022年11月20日〜11月30日18時までの無料限定公開。申し込みは画面内右上もしくは下の「視聴登録はこちら」より
Haruna Kojima
2005年にアイドルグループAKB48に第1期生として加入し、'17年に卒業。その後'18年6月にライフスタイルブランド「Her lip to」をリリース。当初は所属していた芸能事務所でブランド運営をしていたが、事業規模の拡大に伴って、より事業にコミットする体制を構築するべく'20年1月にheart relationを自ら創業。'22年2月より代表取締役CCOに就任。タレント活動も継続しながら、クリエイティブディレクターとして全アイテムの商品企画とクリエイティブ制作に携わるだけでなく、ブランド運営全体を執り仕切る。国内外トータルフォロワー数930万人を超えるSNS等でも積極的に情報を発信している。