アスリート、文化人、経営者ら各界のトップランナーによる新感覚オンラインライブイベント「Climbers(クライマーズ)」。その第4弾が、5月13日から3日間にわたって開催され、35人の仕事人が出演し、ビジネスパーソンを大いに熱狂させた。今回、モノマネ芸人のキンタロー。さんによる特別講義を一部抜粋して掲載。すべての講義を聴くことができるアーカイブ配信はこちら。※5月17日〜5月31日18時までの無料限定公開。【短期集中連載「Climbers 2022 – 春 –」はこちら】
一人で悩みを抱え込まないで
小さい頃から内弁慶な性格で、家の中でお父さんとお母さんを笑わせるのは大の得意。でも、外では内向的で、友達を作るのは苦手だったんです。みんなから「志保ちゃん、なんか怖い」って言われていましたね。
中学校では、はみ出し者。いじめに遭って、同級生によそよそしい敬語で話しかけられる。そんな生活が続きました。
状況が大きく変わったのは、高校生になって参加したホームステイプログラム。カナダの滞在先にクレッグ君という3つ下の男の子がいたんです。彼が、私が背負っていたリュックをそっと開いてお菓子を盗みだす。ちょっとしたいたずらなんですけど、それから自然に話すようになって。「ああ、こういうことも話すきっかけになるんだ。友達ができないのを難しく考えることはない」と、視野が開けた気がしましたね。
大学では社交ダンス部に入部。全国大会で4位になったこともあるんですよ。卒業後はダンス講師になりましたが、母が急死してしまって。父もメンタルを患ってしまい、介護が必要になったんです。私はダンス講師の仕事を辞めて、実家に帰りました。
当時、メンタルの病気は、身体の障害など外に症状が現れるものと違って、なかなか介護認定がおりませんでした。私は再び、すっかり孤立。私の状況をわかってくれる人も少なく、どうしたらいいんだろうと一人で思い悩んでいました。
「助けて!」と声をあげる
で、悩んだあげく、思い切って、知り合いみんなに「助けて!」と。困っている状況を、言葉で周囲に発信したんです。そしたら、「父親を見てくれる施設を一緒に探そう」と言ってくれる人が現れて。少しずつ、状況が好転していきました。
何事も一人で抱え過ぎてはダメ。自分だけではどうにもならないと感じたら、「助けて!」と声をあげるべきです。発信さえすれば、周囲からいろんな考えが降りてきます。最善の解決法は、人とのふれあいから生まれるものなんですよ。
私は女の子をふたり出産し、今、0歳と2歳。もう、手がかかり過ぎちゃって。仕事を続けながらの育児は、本当にたいへんだなって実感しています。
この状況を打開するのは、正直言って、一人では無理です。なので、いろんな人に「助けて!」サインを出しています。ベビーシッターをお願いしたり、掃除代行サービスを頼んだり。旦那にもできる限り協力してもらって、チームプレーで育児に取り組んでいます。
悩みを言い合える日本になってほしい
今の時代、私と同じように仕事と育児の両立に悩んでいる女性はたくさんいると思います。私はそうした女性が、悩みや心配ごとを発信できる場を作っていきたい。困ったことがあったら、「ちょっとキンタロー。に相談してみようか」と、気軽に質問できるようなコミュニティ。そこで、私は笑いを交えながら、解決につながるアイデアのようなことを言えたらいいなと思っています。
コロナの影響もあって、育児だけではなく、多くの人がさまざまな不安や心配事を抱えています。「助けて!」と、気軽に言えるムード。それが今の日本に、最も必要なことではないでしょうか。
キンタロー。さんの講義全文を動画でチェック。※5月17日〜5月31日18時までの無料限定公開。