1972年の設立以来、一貫して日本(福井県・鯖江)製の高品質なアイウエアを生み出し続ける「EYEVAN」。その眼鏡をかけた熱き男たちを写真家・操上和美が撮り下ろす連載「男を起動させる眼鏡#41」。
PERSON 41
俳優/中川大志
「見慣れた自分の顔に新鮮さを感じる」
視力がよい中川大志さんにとって、眼鏡はファッションのひとつ。
「中学生の頃は、単純に眼鏡に憧れがありました。それだけで、なんだか知的に見えるじゃないですか(笑)。高校生頃からファッションにも目覚め、眼鏡を意識的にかけるようになりました。そして今では、生活に欠かせないものですね。というのも、目が紫外線に弱いのか、屋外でロケをしていると目が真っ赤になってしまうんです。だから目を保護する理由もあって、サングラスは手放せない。今は薄い色のレンズのタイプを愛用しています」
もちろん眼鏡は、役者という仕事とも切り離せない。
「役柄に入りこむうえで眼鏡は大きなスイッチになりますし、眼鏡に助けられたこともあります。僕はここ数年auのCMで『細杉(こますぎ)くん』を演じているのですが、かなり強烈な個性なうえに、CMは数ヵ月に一度しか撮影しないので、いきなり演技をするのは難しい。でも、あの眼鏡をかけると、スッとあの強烈なキャラクターが入ってくる。なんだか不思議ですよね」
今回中川さんが選んだ眼鏡は、EYEVAN「WEBB-SQ-SUN」。これはジャズピアニストのビル・エヴァンスが愛用していた眼鏡をイメージしてデザインしたというスクエアなフレームが特徴で、アセテート素材から透けて見える芯の部分に彫金を加えるなど、ヴィンテージ風のディテールにこだわっている。
なんでも中川さんは、最近ジャズにはまっているそうで、EYEVANのショッパー(買い物袋)に描かれたビル・エヴァンスのイラストにも反応する。
「そうか、これはビル・エヴァンスの眼鏡なんですね。これを選んだのは、ボリューム感やスクエアベースのデザインが好きだから。僕はちょっと面長なので、このタイプが自分の顔にしっくりきます。パープル色のレンズの絶妙な色合いも素敵ですね。ちょっと背伸びするような大人な上品さに惹かれました。
眼鏡はガラッっと印象も気分も変えられるもの。日常的なアイテムですが、クルマを運転する時や地方ロケに出かけるなんてシュチュエーションに合わせて、眼鏡を使い分けるのも楽しいですよね」
近眼ではないため、日常的に眼鏡をかける生活ではない。だからこそ、眼鏡は役作りの相棒になったり、気分を上げてくれたりする。仕事であれ、プライベートであれ、ギアを変えてくれるものなのだ。
「新しい眼鏡をかけて、初めて他の人に会う時って、似合っているのかなってドキドキしますよね。見慣れた自分の顔にも新鮮さを感じられますし、眼鏡って“もう一人の自分” に会えるものなのかも。今回の撮影でもそれを感じました。眼鏡に合わせてスタイリングやヘアメイクをしてもらうのは新鮮な経験でしたし、眼鏡ひとつで顔の印象が大きく変わるんだなって気がつきました」
Taishi Nakagawa
1998年東京都生まれ。2009年にデビューし、’10年に『半次郎』で映画初出演を果たす。その後、ドラマ『家政婦のミタ』など多数の作品に出演し、’19年には映画『坂道のアポロン』、『覚悟はいいかそこの女子。』で第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。現在は大河ドラマ『鎌倉殿の13人』にて畠山重忠役を演じている。
問い合わせ
EYEVAN Tokyo Gallery TEL:03-3409-1972