俺らは「瞬間業」。瞬間をつながないと未来はない
周年ツアー「THIS IS JSB」。本来は昨年開催のはずが断念せざるを得ず、代わりにこの1年は初となるオンラインライブを精力的に開催。10年目の想定外の挑戦は、グループに新たな発見ももたらした。
NAOTO 映像でしか見せられないライブもあるなと学んだよね。生ではないからこその演出のやり方は、まだまだ掘りがいはたくさんありそう。
登坂広臣(以下、登坂) そうですね。やっぱり生が一番ですけど、映像オンリーだからこそできることはある。これからの時代、オンラインと生と2軸が持てたらいいのかもしれません。コンセプトをつくりこんでよりクオリティを高めたものをオンラインで届けるのも面白そうです。
ELLY 本当、オミが言ったとおりだと思う。映像は何でもありじゃないですか。次があれば、そこでぶっ飛んだクオリティのものをやってみたいです。
NAOTO いつまたオンラインライブが必要とされる日が来るかもしれないからね。
岩田 今回のライブツアーを生でやれているだけでも御の字だと思っていますが、キャパ半分でマスク着用必須・歓声なしという空間でのライブは今までとは当然違うもの。これが続いていくかもしれない以上、そのなかでのライブの見せ方、お客さんの楽しませ方をもっともっと追求していく余地もあるかもしれませんね。
ELLY オンラインだから実現できたこともあった。去年のアニバーサリーで開催したオンラインライブには初代・二代目のJ SOUL BROTHERSの方々が来てくれて、みんなで踊って。あれは普通にドームでやってたら多分できなかったよね。
登坂 そうだね。しかも同時接続で10万人以上の方が観てくださっていて、生だったら絶対無理な数じゃないですか。そんなに収容できる会場は現時点で存在しないから。でもオンラインは人数無制限で同じものを共有できる。その強さを感じました。自分自身も、SNSでより積極的にファンの方とコミュニケーションを取りに行くようになったのは結構大きな変化ですね。
岩田 LDHオリジナルの動画配信サービスも生まれて、そういうところでコミュニケーションできるのはある種の安心材料になりましたね。それに救われたところはあります。
なぜ三代目は止まらずに前進し続けられるのか
ELLY この期間に、それぞれの頭のなかでは「グループでこれをやったらいいかもな」とか「こういう表現をソロでやってみようか」とか、いっぱい生まれたと思うんですよ。そういうふうに考えを重ねたことは絶対意味があって、これからまた動きだす時に新しいことが生まれてくるんだと思う。
NAOTO たしかにね。全員すごいストレスは感じていたと思うけど、めちゃくちゃネガティブになってるかっていうと、そうではなかったかな。
岩田 考えても仕方がないという感じもありましたし。
ELLY 俺は逆にめちゃめちゃチャンスかなって思ってた。最初は急に時間ができて何していいかわからなくもなったけど、あの期間があったからちょっとチルな感じの「100 SEASONS」ができたし。
登坂 去年はよくLINEで「あのアーティストがオンラインライブでこんなすごいことしてた」とか共有し合ってたよね。自分たちのオンラインライブのためのアイデア出しも兼ねて、やりとりは多かった。今やれている有観客のツアーだったり、11月に発表させてもらうベストアルバムだったりって、本来はすべて昨年予定していたこと。1年延期せざるを得なかったけど、そのぶんオリジナルアルバムも一緒に発表できることになった。ネガティブな世界だからこそ、結果論としてポジティブに捉えていく必要があるのかなと思っています。
NAOTO 止まらないのが三代目だからね。
10年後、変わるものと変わらないものがある
岩田 10年後はどうなってるんですかね。
NAOTO 10年後かぁ……。
岩田 なんでしょうね、マジで想像つかないですね。
ELLY NAOTOさんは48? 50前っすね。
岩田 もう、こんな感じになってるかも(腰を曲げて杖をつく動き)。
3人 (笑)
NAOTO 50前かぁ。うーん……まだ踊れるな。
3人 おぉ〜。
NAOTO 踊れはするけど、でもグループがどうなってるのかは想像もつかない。というのも、これまでの10年、自分たちの想像のうちにおさまることなんてひとつもなかったから。だからある時から、あんまり予想や予測をしなくなった。このツアーを終えた時にまた生まれる感情があって、そこからやるべきことが決まって、数年後にまたみんなが見てる世界があって。その時々の三代目のテンションで選んでいった先にどんな10年後が待ってるのか、自分自身も楽しみだよね。
岩田 正直、グループとしてはいろいろなことを達成してしまったからの悩みもありますよね。
登坂 だから、これまでの10年とこれからの10年はまったく別の歩み方になるんだろうと思います。たしかにデビューした頃は「ドームライブをやりたい」とか「国民的グループになりたい」とか漠然と夢を描いてました。馬鹿げたことを言っていたのが、今となっては大概すべてかなってる。それを経験したうえで、これから先に何があるのかは想像しないほうが面白い気がします。
ELLY 10年後はさすがにわからないよね。でも、ダンス、音楽をやっていることは間違いないと思う。
NAOTO 企業だったらビジョンを持って達成すべき目標を考えなきゃいけないかもしれない。でもアーティストにもそういう思考が必要なのかっていったら、必ずしもそうじゃない。1〜2年後の計画を立てても数ヵ月後には「やっぱり変えよう」ってなるのが日常茶飯事だから、先のことを決めるのは無駄だってみんな気づいてる。だから俺たちは、この瞬間に全力を注ぎこんで挑戦を続けるだけ。
岩田 たしかに瞬間ですよね。
NAOTO ライブも瞬間じゃない?俺らは瞬間を売ってる「瞬間業」。でもその瞬間をつなげていかないと明るい未来がないことははっきりわかる。だから10年後を考えることに熱量を燃やすより、瞬間を燃やしてその先にある10年後をよくしたい。
登坂 そうですね。それにアーティストってやっぱり、時代に左右される職業でもあるから。僕らはある種そうだったと思うんです。時代が求めてくれたからここまで来ることができた。でもそれは変わっていくもので、自分たちで予想できて思いどおりにキャッチできるものでは決してない。誰にもわからないことだから、NAOTOさんが言ったように、瞬間を燃やして挑戦し続けるしかない。
ELLY とにかく10年後がより面白くなっていたらいい。
NAOTO 10年後も自分がグループを誇れていたいし好きでいたいし、メンバーと相変わらず信頼関係を持って一緒に活動していたい。それだけは間違いない。向こう10年間、どんなことがあっても、三代目 J SOUL BROTHERSから発信するエンタメと音楽、存在が唯一無二であるというスタイルは貫き通したいね。
『BEST BROTHERS/THIS IS JSB』
11月10日リリース
エイベックス
【CD3枚組+DVD5枚組】
¥11,000
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