今年、10周年ツアーを開催し、11月10日にはアルバムをリリースする、三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE。デビューから10年間以上、7人は挑戦、挑戦、挑戦を重ね、この7人だからこその偉業を成し遂げてきた。コロナの影響で多くのエンタテインメントが止まったなか、彼らは悩み、考え抜き、そして今、新たな挑戦へ舵を切る。その挑戦の先にある7人の進化と深化とは。
濃い歴史があるから見えてきた新たな景色がある
「この10年間で最大の挑戦は?」と聞けば「すべて」と答える3人。そのなかで最も印象に残ることを、敢えて選ぶなら何か。3人の鼎談は、グループのターニングポイントとなった「あの曲」から、まずは始まった。
山下 楽曲では常にチャレンジしてたよね。そもそもデビュー曲がバラードっていうのも挑戦だったと思うけど、一番はやっぱり「R.Y.U.S.E.I.」かなぁ。
小林 パフォーマンス的にもヴォーカル的にも、ライブで軸になる代表曲が欲しいと思っていたなかで、最初にデモを聴いた時から何か感じるものがあったよね。
山下 素直に「カッコいい」ってところから始まった曲だったけど、多くの人たちに「ランニングマン」を知っていただいて。いろいろな振りをやってきたけど、あれってダンスを始めて一番最初に習うくらい、基礎中の基礎みたいなステップ。それをELLYの発案で「7人で横一列でやるのはどうだろう」って話になって。
今市 ヴォーカルとしては、正直、楽しかった。自分もオミも身体を動かすのが好きだから、一生懸命やるぞ!という感じで。当時、ダンス&ヴォーカルグループではヴォーカルは踊らないスタイルが主流で、三代目では楽曲によって踊ってはいたけれど、「R.Y.U.S.E.I.」は初めて「しっかり踊ること」に挑戦した曲だったと思う。
山下 あの頃、みんなで「キャッチーとは何か?」みたいなことをずっと話し合ってたことを覚えてる。「R.Y.U.S.E.I.」はフリもキャッチーにして、「みんなが真似して、好きになってくれたら」くらいの気持ちだったんだけど、まさかあそこまでのメガヒットになるとは思ってなかったね。
小林 みんな「シンプルな振り付けだけど、それもいいのかもしれない」っていうくらいだったのが、ライブを重ねていくうちに、ファンの皆さんがどんどん真似してくれるようになって。曲が目の前で大きく育っていく感じだった。
今市 日本レコード大賞にもびっくりしたけど、正直、小学校の運動会で使われるなんて展開は、思いもしなかった。
小林 幅広い世代に知ってもらえたのも、あの曲が大きかったよね。
今市 でも何がチャレンジって聞かれても、三代目はすべてがチャレンジで。
小林 そうだね(笑)。
今市 本当に、チャレンジだらけじゃないですか。例えばヴォーカル目線で言えば、あらゆるジャンルの曲をオミとふたりで歌ってきたこと。一般的にグループってロックならロック、ヒップホップならヒップホップみたいな軸が一本あるものなんだけど、三代目はバラードからアップテンポ、ロック、EDM、ヒップホップといろんなジャンルをわかりやすくやっていて。「J.S.B.DREAM」では初めてラップフロウをやったけれど、今みたいにラッパーが歌ったり、シンガーがラップするのも当時はほとんどなかったから、さり気なく挑戦してる。
小林 ダンサーとしてもやったことのないジャンルに挑戦することはあったけど、7人での見せ方がだんだんわかってくるようになると、ジャンルがどうというより三代目として見せる形に、自然となっていく感じがあるんだよね。
今市 逆を言えば、僕らが世の中に出したものはすべて三代目になる。だからこそ、常に自分たちが思うベストとしてつくり上げていかなきゃいけない。それをずーっとやり続けてきたわけで……だから、この10年間はチャレンジだらけ!
山下 なるほど!ちゃんとつながった(笑)。
挑戦によって変化し成長してきた10年
小林 これまでの10年で自分としての一番の挑戦というと、個人的にはツアーじゃないかな、と思っていたけど、やっぱり全部だな。限定しづらい。
今市 やっぱりそうですよね。すべてが挑戦、ずーっと挑戦。
小林 100万人を超えるツアー動員数を聞くと改めて驚くんだけど、そういうことは誰も想像していなかったし、渦中にいる時もそんな多くの人に届けられている実感って、正直ないじゃない?とにかくがむしゃらにやってきたっていうだけで。
山下 確かにツアーの時に考えてるのは、「ここまでやったら休みの日は思いきり釣り行こう」とか(笑)。
小林 それはある(笑)。
今市 でもケンちゃんは常に元気だよね。最近ちょっと振り返りみたいな話をした時に「僕は暗かった時ないっすね〜」って(笑)。他のメンバーみたいな波がなくて、常にご機嫌で、それってマジですごいと思う。
山下 まあ、でも思うのは、ライブも楽曲も好きを追求した結果だから。いろいろなストレスはありながらも、結局は大好きな歌と踊りをやってきた10年だったなって。
今市 10年って、早いと言えば早かったし、振り返っても振り返りきれない、思い出が多すぎて。波瀾万丈と言えばそうかもしれない。とにかく内容が一個一個濃い。
山下 濃いねぇ。
今市 濃すぎて、一個振り返るのに時間がかかるというか。10年前の自分からは、今の自分は想像できないと思う。
山下 本当にいろんなこと、いいこともあれば、めちゃくちゃ悪いこともあったけど、僕はあんまり変わってないかな。
今市 変わってないんだ!
小林 変化したこと、変化していないこと、両方あるよね。10年間って経験値としてすごい大きいし、その歴史があるからこそ見えてきたこともある。でも同時に肩の力も抜けて、以前よりずっと自然体になった部分もあって、それによって「自分はここがダメだな」と気づくこともできるし、「周囲からこういう力を借りてきたんだな」と思えるようにもなっている。
山下 確かに。
今市 自分は昔とは変わったなって思う。やっぱり10年やってきて、三代目が築き上げてきたものとか、ブランド力とかもわかっているし、いろんな世界の仕組みも知るようになった。ただ、昔のほうが自由だったかなって感じることはある。みんなもそうだと思うけど、三代目としての自覚とか責任、三代目たるものは!みたいな意識を強く持っているから、めったなことは決してできないし。
山下 ははは、そうだね(笑)。
今市 もう一回自由になりたいと思う時もあるよね。正直、音楽とかを昔みたいに、純粋な楽しみとして聴けなくなってるところもあるし。前はヴォーカルしか聴いてなかったけど、今は音色聴いて、楽器聴いて、どっちかっていうと「チェックする」って感じになっている。それがちょっと寂しいなと思ったり。
山下 なるほど。面白いね。
今市 まぁ、それはしょうがないことなんだけど。
小林 自分たちの「好き」とか「こうしたい」とともに、その外にあるものも吸収してエンタテインメントとして表現してきたのが三代目J SOUL BROTHERS。自分たちをここまで来させてくれた、応援してくれた人たちを笑顔にしたい。これからの10年も、そこから始まるような気がする。
山下 そうか、10年後かぁ。もう46歳だ。
今市 まだ46歳だよ(笑)。
2021年11月10日発売『BEST BROTHERS/THIS IS JSB』の詳細はこちら!
全42ページのフォトストーリー&インタビューを収めた三代目 J SOUL BROTHERSの総力特集はゲーテ12月号にてチェック!