サッカー日本代表の若きエース、堂安 律。彼はいかなる時も困難の道を選び、自らの成長へとつなげてきた。これまでの歩みと挑戦の思いを独占インタビューでお届けする。
「すごく飽き性なので、簡単に実現できない道を進みたい」
ドイツ・ブンデスリーガで初めてのシーズンを戦った堂安は、この1年間をこう振り返った。
「自分の長所と短所がわかったことで、来年以降の自分に期待できる……。そんな1年でした。ドイツでは多くの日本人選手がプレイしていてマッチアップも多い。変な感じですよ。お互いのプレイを知っているので、見ている人にはわからないレベルの対戦ができる楽しさはありますね。ただ無観客試合だったのが心残り。サポーターの想いを感じると、明らかに100%以上が出せる。改めてサポーターの大きさを感じた1年でした」
アルミニア・ビーレフェルトではチームトップタイの5得点を挙げて、チームの一部残留に大きく貢献した。
「チャレンジは恐れない。来シーズンのチームも、どこが一番のチャレンジになるかを考えたいし、敢えて難しくて時間のかかるほうを選びたい。それが自分を成長させる近道ですから」
プロアスリートとして、さらに骨太な精神を身につけた堂安だが、海外生活を経て自分自身の表現にも変化があった。
「プロとして見られる立場になって、自分の言葉や行動を意識するようになりました。僕が小さい頃にそういった選手を見て憧れましたし、自分もそういう立場にならないと。日本人はシャイであまり主張しませんが、それは自分の性格には合っていない。海外の選手たちは、“自分大好き”な目立ちたがり屋が多いけど、そのポジティブがいいと思う。カッコいい時計をつけるとかね。
僕はプロになったらウブロを買おうと決めていた。ヤットさん(遠藤保仁)に憧れたんです。まず手に入れたのは、ゴールドのビッグ・バン。さらに日本代表に選出されると特別モデルをつけられるので、それも大きなモチベーションになりました。ウブロはデザインに惹かれましたが、スイス本社を見学させてもらったことで、さらに深く好きになりました。このホワイトもいいですよね。黒系のファッションが好きなので、時計をアクセントにしたい」
堂安は、ウブロの哲学にも惹かれるという。
「特にチャリティ活動ですね。僕自身もコロナ禍のような事態のなかで、プロアスリートとして何ができるかを考えました。サッカーボールがなくなった自分は、何を発信できるのか? そういう意味では、ウブロフレンズとして一緒に仕事をすることは、大きな勉強になります」
自分自身を客観視し、冷静かつ快活に話す堂安だが、まだ23歳の若者。この先が楽しみなアスリートに出会えた。これからも難しい道を選び、それを自らの成長へと繋げ、結果を残し続けてくれるはずだ。
Ritsu Doan
1998年兵庫県生まれ。ガンバ大阪ユースを経て、2015年に公式戦デビュー。’17年にオランダのFCフローニンゲンに移籍。その後オランダとドイツで活躍する。日本代表としては、U-24代表とA代表を兼務している。