苦楽をともにした仲間、憧れのアートピース。椅子とは座るための単なる道具ではなく、その存在を紐解けば、人生の相棒とも呼べる存在であることがわかる。ビットフライヤー ブロックチェーン代表取締役・加納裕三さんが愛でる椅子と、そのストーリーとは? 「最高の仕事を生む椅子」特集はこちら!
「椅子は最も重要な仕事道具。こだわり抜くのは当然です」
ビットフライヤー ブロックチェーン代表取締役・加納裕三
国内最大のビットコイン取引量を誇る暗号資産取引所ビットフライヤー。2014年、ゴールドマン・サックス証券でトレーダーを務めた加納裕三さんらによって設立され、現在は東京ミッドタウン・タワー棟に3フロアから成るオフィスを構えている。なかでも、大小12の会議室を設けた33階のフロアは、加納さん自らがプロデュースし、洗練された空間に仕上がっている。
「会議室のインテリアは、過去に訪れた海外の都市をテーマにしました。椅子はもちろん、照明や壁紙もこだわっています。お客様を招いたり、重要な会議をする場所。この空間なら、新しい発想も生まれやすいかなと」
こだわりの12室のなかで「最も愛着がある」と話すのが、シリコンバレーの中心に位置する高級住宅街の名を冠した「パロアルト」。一番大きな会議室で、20脚の椅子は、すべてイームズの名作「アルミナムグループ エグゼクティブチェア」だ。
「飽きがこないシンプルなデザインと長時間座っても疲れない機能性が同居しています。椅子は、デスクワーク中心の僕にとって、重要な仕事道具です。野球選手でいえばバットやグラブに当たるもの。椅子選びには決して妥協したくありません」
長く座る執務室の椅子には、オカムラのワークチェア「コンテッサセコンダ」を選択。思案にふけり、気がつけば10時間近く経っていることもあるという。
「社員全員が同じ椅子で仕事をしているのですが、在宅期間もこの椅子のほうが捗ると言うので、希望者には自宅に発送しました(笑)。快適な環境を社員と分かち合いたいし、椅子によって仕事の効率が上がれば、会社としても幸せです」
YUZO KANO
1976年愛知県生まれ。ゴールドマン・サックス証券会社にてエンジニアとして勤務したのち、2014年にビットフライヤーを共同創業。日本ブロックチェーン協会代表理事や内閣官房主催の官民データ活用推進基本計画実行委員会委員を務める。