ワインで身上潰しかけた!? 稀代のマニアかく語りき
200本以上のワインがセラーに詰めこまれ、これまで空けたボトルが所狭しと並ぶ。週1の休みと、給与のほとんどをワインに注いできた歯科技工士・尾島知明氏の部屋だ。
「ワインは知識だけではなく、経験が必要。身銭を切らないと肥やしにならないんです」
もともとオタク気質、酒屋に通いつめ、ワインのいろはを学び、買い集めること25年。ほかの趣味をすべてやめ、財産を投じてきた。その経験から得た知識にワインマニアたちも舌をまく、一目おかれる存在だ。
「私は普通のサラリーマンですから、正直こわいと思うこともありますよ。有り金叩(は)たいて手に入れたものを大事に寝かせたのに、いざ開けてみると酸化していたりということも。でも挫折せずその経験を肥やしにしていけるかどうか。周りにもそういう仲間が多いんです」
土曜の夜はワインを通じて出合った異業種の仲間たちと、熱中して語り合う。
「ヴィンテージ好きから、コンビニのものを飲み比べる人まで、それぞれ愛好家。敷居が高いと思われがちですがワインの前で人は皆平等なんです」
尾島知明のWine Profile
好きなワインの傾向
所蔵している99%はブルゴーニュ。
ワインの師匠
埼玉の酒店ノイジーワイン店主・原 道郎氏
“ワインホリック”なエピソード
飼っているゴールデンレトリーバー2頭にワインの生産者の名前をつけている(ルロワとラルービーズ、通称ラリー)。
自分へのご褒美
ツウな人に振る舞う
生涯最後に飲むなら
今注目の1本
Tomoaki Ojima
1971年栃木県生まれ。歯科技工士。25歳でワインに開眼。以降飲み続け、修行をつむ。その膨大な知識と正確な舌で、ワインマニアたちの注目を集め続けている。