「メモを使い倒して思考をクリアにする」
特別な機能もなく、ありふれたデザインのシンプルな100均のメモ帳。経営不振に陥っていたバスケチーム・千葉ジェッツをリーグ屈指の人気チームに成長させ、昨年からはBリーグのチェアマンを務めている島田慎二氏は、それを片時も手放さない。
「常に持ち歩き、気になった情報やアイデアは何でも書きこむ。スマホのメモ機能じゃダメ。実際に手を動かすことで記憶に残るし、頭が活性化されるんです」
もともとは旅行業界に身をおき、経営者として辣腕(らつわん)を振るっていた島田氏。若い頃からこのメモ帳を活用し、思考の整理に役立ててきた。
「事業展開のチャート図を作ったり、経営戦略の根幹となるアイデアを箇条書きにしたり、メモ帳を使っていろいろなシミュレーションを繰り返してきました。頭の中だけで考えるのではなく、それを言語化し、図などに落としこんでいく。俯瞰してそれを眺めてみることで、物事を多面的に考えるのにもひと役買ってくれます。まさに、私の勝負を支えてきた必須アイテムといえますね」
月に1冊のペースで使い切るという島田氏にとって最も重要なのが、気兼ねなく使い倒せること。ごくごくありふれた、100均のメモ帳を選ぶ理由もそこにある。
「大きさはポケットに入る小さいサイズがいい。パッと取りだせるので。あと私は職業柄、大企業の経営者や要職についている方とお話をすることも多いのですが、皆さん例外なく“メモ魔”。あらゆる情報を聞き逃すまいと、常にアンテナを張っている。それに、相手がメモを取っているとこちらの話を真剣に聞いてくれていると感じますよね。メモ帳はビジネスパーソンの必需品だと思います」
SHIMADA’S TURNING POINT
15歳 日本大学山形高校に入学。サッカー部に入学し寮生活を送る。
31歳 海外出張専門の旅行会社、ハルインターナショナルを設立。
41歳 経営難に陥っていた千葉ジェッツを立て直すべく、社長に就任。
49歳 千葉ジェッツの再建が評価され、Bリーグチェアマンに就任する。