年始は1月3日(日)スタート! 表参道のGYRE GALLERYでアート初詣
1月31日まで名和晃平さんの個展『Oracle』が表参道のGYRE GALLERYで開催中です。今回特別に、名和さんへの電話取材が実現したので名和さんの解説とともにお届けしたいと思います。
なぜこれだけの作品を集結することができたのか。それは新しくなったGYRE GALLERYが複数の空間で構成されている点にありました。
「部屋を進んでいくと、空間が展開していく面白いスペースだったので、一番に考えたことは体験としてこの空間をどう活かせるか、ということ。それで複数の作品を織り交ぜる展示になりました」(名和氏)
アート作品は感じたままに、自由に見ることが一番とわかりつつも、どんなイメージを持って構成をしたのか気になります。
「自然環境やその移り変わり、生命との関係でしょうか。入り口にカラス(「PixCell-Crow#5」)がいますよね。それから土壌を想起させるような黒い絵画(「Black Field」)。つまり、種子を運ぶ存在である鳥と、何もない土壌から始まる。奥に入るに従って、気象現象やランドスケープ、植物の種子が次々に生まれてくるようなイメージと出会います」(名和氏)
なかでも、私が最も心惹かれた作品は「Catalyst(カタリスト)」。聞けば、名和さんがグルーガンを用いて壁面に描き上げたものだといいます。光を当てないと見えないぐらい透明なのに、光の反射でいろんな見え方になる。名和さんのインスピレーションの源を聞かずにはいられません。
「『Catalyst』で使ったグルーガンもそうですが、漫然と概念と向き合うというよりも、物質に反応しているのだと思います。それぞれの素材が持っている特性をどう引き出したらいいかと考えます。そこからコンセプトやイメージが出てくることが多いです」
作品を目の前にして眺めていると、思わず覗きこんでしまう。文字どおり、惹きつけられる力がアートにはあるようです。
「直接作品を見ると表現がより豊かに伝わるので、コロナ禍の今だからこそ、作品を身体で直に感じてもらいたいと思います」
いろんな体験が制限される今だからこそ、アートはさらに心を豊かに、脳に刺激を与えてくれます。皆さんも“名和ワールド”を体感してくださいね。
KOHEI NAWA SOLO EXHIBITION 『ORACLE』
展示期間:2020年10月23日(金)~2021年1月31日(日)
開館時間:11:00~20:00
会場:GYRE GALLERY, GYRE 3F
住所:東京都渋谷区神宮前5-10-1
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Chiaki Horan
1988年東京都生まれ。青山学院大学卒業。『Nスタ』(TBS系、毎週月曜~金曜日15:49~19:00 ※地域により異なる)にてキャスターを務めている。