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2020.11.26

東京五輪へ巻き返しを図るバスケットボール日本男子代表に立ちはだかる苦難の道【コロナ禍のアスリート】

約1年の延期が決まった東京五輪。本連載「コロナ禍のアスリート」では、まだまだ先行きが見えないなかでメダルを目指すアスリートの思考や、大会開催に向けての舞台裏を追う。

富樫勇樹、エドワーズ・ギャビン、佐藤卓磨が合宿離脱

バスケットボール男子本代表が東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンターで実施していた強化合宿を、新型コロナウイルス感染症の陽性判定者が出たために22日で打ちきった。

20日に合宿に参加していないBリーグ千葉所属の選手が新型コロナウイルス感染症の陽性判定を受けたため、21日から練習を休止した。合宿に参加していた千葉所属の富樫勇樹(27)、エドワーズ・ギャビン(32)、佐藤卓磨(25)がPCR検査を受けるために、21日に合宿を離脱。エドワーズに陽性判定が出たことを受け、26日までの予定を繰り上げて合宿を終了した。

コロナ禍により、日本代表の本格的な活動は2月のアジア杯予選・台湾戦以来9カ月ぶりだった。当初は今月下旬にアウエーで予定されていたアジア杯予選マレーシア戦、中国戦に向けた合宿だったが、コロナウイルス感染拡大で予選が延期となり、育成と強化に重点を置く練習期間と位置付けられていた。

就任4年目を迎えたフリオ・ラマス監督(56=アルゼンチン)は「やっと一緒に練習できる。もう一度つながりを築き、成長していきたい。さらにダイナミックな攻撃、よりアグレッシブな守備を目指すのがテーマ」と意気込んでいたが、またもや見えないウイルスに翻弄される形となった。

今合宿では新戦術の導入に着手していた。招集を見送ったNBAウィザーズの八村塁(22)、昨季までグリズリーズでプレーした渡辺雄太(26)、豪メルボルン・ユナイテッドの馬場雄大(25)の”海外組”をチームの軸に据えることを念頭に置き、ファストブレーク(速攻)とセットオフェンスの中間にあたるアーリーオフェンスのシステムを採用。合宿2日目の19日から本格的な練習をスタートしていた。

ポイントガードの篠山竜青(32=川崎)は「今回やっているアーリーセットは高い位置からプレーを始めて、よりスペースを広げた状態でペイントにアタックできる形を目指している。W杯に向けて用意していたものとは違う新しい考え方。代表の中心になる八村塁、渡辺雄太、馬場雄大はみんな走れる選手なので、彼らが快適にスペースを使えるシステムになると思う」と説明していたが、新戦術を詰める段階には入れず合宿が終わった。

帰化選手枠を巡る争いも注目されていた。エドワーズが日の丸を背負うのは1月に日本国籍を取得後初。FIBA(国際バスケットボール連盟)の規定で、満16歳以降に国籍を変更した選手の登録枠は1しかない。昨夏のW杯に出場したファジーカス・ニック(35=川崎)、昨年12月に日本国籍を取得して今合宿にも参加したロシター・ライアン(31=宇都宮)との争いはし烈。練習ではエドワーズとロシターが激しくリバウンドで競り合う場面が何度もあった。

開催国枠での出場が内定している来夏の東京五輪まで、代表チームが集まれる期間は限られている。連係面の観点から可能な限り早い段階で帰化選手枠を決める必要がある。貴重な選考の舞台だったが、大幅短縮を余儀なくされた。

「新型コロナウイルスがここまで影響するとは誰も思っていなかった」

五輪前の海外組の合流時期が不透明なことも誤算に拍車をかける。NBAの20-21年シーズンは12月22日に開幕。レギュラーシーズン
は来年5月16日に終わるが、プレーオフに進出してファイナルが最終戦までもつれた場合のシーズン終了は五輪開幕前日の来年7月22日となる。

ウィザーズの八村に加え、昨季でグリズリーズとのツーウエー契約を終えた渡辺もNBAチームとの契約を目指して米国で調整中を続けている。所属チームの成績次第で五輪直前まで招集できない可能性がある”2枚看板”を万全の状態で迎え入れるためにも、国内組の成熟度を高めておきたいが、貴重な練習時間が削られた。

ラマス監督は「新型コロナウイルスがここまで影響するとは誰も思っていなかった」と頭を悩ませる。昨夏の”W杯で5戦全敗に終わり、世界との差を痛感。東京五輪での巻き返しに向けて、課題は山積みだが、コロナ禍でチーム強化の構想を実行に移せない状況が続く。

TEXT=木本新也

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