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2020.10.29

“東京チーム”のGMは北島康介氏。競泳の高額賞金大会、国際リーグ(ISL)の可能性とは?【コロナ禍のアスリート】

約1年の延期が決まった東京五輪。本連載「コロナ禍のアスリート」では、まだまだ先行きが見えないなかでメダルを目指すアスリートの思考や、大会開催に向けての舞台裏を追う。

北島康介

License by Getty Images

今季から参戦した「東京フロッグキングス」のGMに就任

水泳界のレジェンドが茶目っ気たっぷりに言った。

「僕は選手の時よりも疲れていますよ。ニキビもできるし」

創設2年目を迎えた競泳の高額賞金大会、国際リーグ(ISL)の20年シーズンが16日に開幕した。東京に拠点を置く「東京フロッ
グキングス」は今季から参戦。チームのGMを務める競泳男子平泳ぎ五輪2大会連続2冠の北島康介氏(38)は昨年12月の参戦決定からチーム作りに奔走しており「GMという立場でチームをゼロから作りあげた。1ヵ月前まではどうなるんだろうという不安があった中で、ようやくフィールドに立てた喜びがある」と感慨深げだった。

ISLはウクライナの富豪コンスタンチン・グリゴリシン氏が立ち上げた大会。競泳では珍しい団体戦を採用し、短水路(25メートルプール)で争う。第1回の昨年は米国4、欧州4の計8チームが参加。10~12月に世界を転戦しながら7試合を行ったが、今年は新型コロナウイルスの影響でハンガリー・ブダペストでの集中開催となった。東京とカナダのチームが加わり、参加は10チーム。各チームが4チームによるリーグ戦を4試合行い、8チームが準決勝、準決勝の上位4チームが決勝に駒を進める。

賞金総額は605万ドル(約6億3700万円)。予選、準決勝、決勝の段階を踏む五輪や世界選手権と異なり、レースはすべて一発勝負。2時間×2日間の枠の中で開催され、男女混合リレーやスキンレース(3分おきに50メートルのレースを繰り返し、最後は上位2人
が一騎打ちを行う)と呼ばれる独特のフォーマットが採用されている。

瀬戸大也は欠場も、萩野公介、大橋悠依が活躍

1チームの編成は32人。国籍は厳密に規定されておらず、各チームに世界のトップスイマーが名を連ねる。東京フロッグキングスにも自由形短距離のスペシャリストであるウラジミール・モロゾフ(ロシア)をはじめ男子5人、女子4人の外国籍選手が参加。きらびやかなライトアップやDJが曲をかけるなどの派手な演出も過去の競泳大会とは一線を画す。

東京フロッグキングスは24、25日の初戦は4チーム中2位。不倫問題で日本水連から年内の活動停止処分を受けた瀬戸大也(26)が欠場を余儀なくされる中、萩野公介(26)、大橋悠依(25)らがポイントを稼いだ。萩野は「初戦は良い内容で終われた。東京五輪に向けて、将来戦うであろう選手と泳げるのは貴重な機会」と収穫を強調した。

当初は準決勝までをブダペストで開催し、決勝は12月に東京で実施する計画だった。移動による新型コロナウイルス感染リスクを考慮して断念しただけに、感染予防対策には余念がない。入国時にPCR検査と24時間の隔離。ドナウ川に浮かぶ孤島のホテルを「バブル(隔離空間)」にして生活し、3日に1回PCR検査を行っている。

外出は90分以内と決められており、マスク着用の義務を怠れば、チームのポイントがマイナスになる罰則も科される。プールにはチーム専用のバス2台で移動。試合会場の動線も基本的に一方通行で、各所にアルコール消毒が設置されている。

主将を務める入江陵介(30)は「プロトコルを守っていれば、感染者が出ることはないと信じている」と語った。大会期間中は各国の選手が合同練習を行い、競技力の向上を図れる。東京五輪の1年延期でモチベーション維持が難しい中、同じプールでライバルと切磋琢磨できるメリットは大きい。今後、国際水泳連盟(FINA)との折り合いをどうつけていくかなど課題もあるが、既存の競泳大会と比較して魅力的なコンテンツであることに疑いの余地はない。

競泳は五輪の人気種目でありながら、マネタイズやファン獲得などでメジャースポーツに遅れをとってきた。北島GMは「今までの
スタンダードの大会とはまったく別物。こういう大会が観る人を魅了すると思う。競泳がよりプロフェッショナルになるために大きな意味を持つ。もっと楽しめるスポーツになる」と期待を寄せる。

ISLは競技のステータスを飛躍的に高める可能性を秘めている。

TEXT=木本新也

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