師匠か、恩師か、目をかける若手か、 はたまた一生のライバルか。 第 27 回は、創造力豊かなおふたり。
村瀨茂高が語る、佐藤夏生
世の中に新しいサービスを創りたい。世の中、こんなふうにならないといけないんじゃないか……。いつもそんなことばかり考えていました。ただ、もやもやしていて、はっきりしていないし、まじめに聞いてくれる人なんていないんです。でも、夏生さんは違った。理由なんてない。魚釣りに誰と行こうか、という時、この人と行ったら面白い釣りができる、とワクワクできる人を誘うじゃないですか。夏生さんは、一緒に船に乗ったら、すごく面白いことができるんじゃないかと思ったんですよ。
月3回くらい、彼にみっちり話を聞いてもらうようになって、いろんなことがわかりました。僕たちがやろうとしている産業には、明確な名前がなかったこととか(笑)。やりたいこと、やるべきこと、やるべきでないことがわかって、とてもすっきりして、一緒に次のビジョンを作って発表しました。
可能性創造が好きなんですね。僕も夏生さんも。これからも、その可能性を妄想し続けたい。
(これよりWEB版限定テキスト)
最近のミーティングは、ほとんどウェブ会議です。僕も日本にあまりいないし。実は夏生さんの新しいオフィスにも、まだ行ったことがない(笑)。あとはLINEミーティングですね。びっくりするのは、相談事を入れると必ず返事が返ってくること。しかも、かなり速いスピードで。お互い海外で時差で深夜だったりもするのに。寝てないんじゃないかと心配しています(笑)。
WILLERが目指しているのは、世界のどこにでも簡単に移動できるようにすること。単なるバス会社だと言われるのは嫌ですね(笑)。
佐藤夏生が語る、村瀨茂高
最初、とあるセミナーでお会いして。バス会社の名刺を渡されて、「僕たちバス会社じゃないんです」と言われました(笑)。この人かなりクレイジーだなと。それから後日、お会いして、自身のビジネスのこと、今後のビジョンなど、たっぷり話を聞いたんです。僕に期待されているのは、可能性創造。「これお願いします」といったタスクや、オリエンそのものが村瀨さんにはないんですよ。
今までいろんな経営者にお会いしてきましたが、まだ見ぬ未来を創ろうとしている人たちは、ほぼ言っていることがよくわからない(笑)。それで周りも本人もかなり困っていたりする。村瀨さんもそう。だから、力になれる、と思いました(笑)。
彼は、アジェンダのない10時間のミーティングを喜んでしてくれる、貴重な経営者。まさにビジネス冒険家ですね。村瀨さんは変革の先端、現場に常にいる。僕はそこに、物資や食料を切らさないよう常に送っている感じです。
(これよりWEB版限定テキスト)
LINEの返信が速いのは、返信しないと、村瀨さんがどんどん決めていってしまうから(笑)。クオリティを上げるには、無駄をする時間が必要。会社を設立するのに、2時間で会社名を考えて起こしてしまおうとする。もう少しちゃんと考えたほうがいいんじゃないかなと。とにかく相談するタイミングが遅い、かつ締め切りが早い(笑)。僕は、文化をつくる、社会を動かす仕事にもっと携わりたいと思って独立しました。
未来を妄想する、未来ががつくれる経営者はなかなかいない。でも村瀨さんはそのひとり。一緒に妄想できて、本当に光栄です。
Natsuo Sato(右)
EVERY DAY IS THE DAYクリエイティヴディレクター。1973年生まれ。’96年博報堂入社。クリエイティヴディレクターとして企業ブランディングに従事。2017年にクリエイティヴファームのEVERY DAY IS THE DAY設立。
Shigetaka Murase(左)
WILLER代表取締役。1963年生まれ。大学在学中に旅行代理事業を手がけ、’94年にWILLERの前身となる、西日本ツアーズを設立。その後、高速ツアーバス事業に参入。