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2022.08.06

今、ハワイで行くべきレストラン! 「ミロ・カイムキ」「トラシュカリ」──#本田直之のハワイ新常識 2

平常時は年に5ヵ月をハワイで過ごす本田直之さんが現地から情報をお届けする連載「#本田直之のハワイ新常識」。第2回となる今回は、今、ハワイで注目の2店舗、トップシェフのハワイアンキュイジーヌ「ミロ・カイムキ」と、”これぞ本物”と唸ったメキシカン料理の店「トラシュカリ」をご紹介! 【過去の連載記事】

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ハワイのトップシェフ、クリス・カジオカの「ミロ・カイムキ」

2022年9月号のゲーテ本誌でも紹介した、長年付き合いがあるクリス・カジオカがオーナーシェフを務める「miro-KAIMUKI-(ミロ・カイムキ)」。ハワイでは「ヴィンテージ・ケイブ」「セニア」など、どの店も成功させた文句なしのトップシェフだ。今回いただいたのは、そのクリスが特別なお客さんにのみ提供するというスペシャルコースだった。

トーマス・ケラーの「Per Se」を始め、クリスの経歴には名だたるレストランが連なる。僕が彼と出会ったのはホノルルの「ヴィンテージ・ケイブ」。当時、まだハワイの食が伸び悩んでいた時期で、クリスの料理を食べた時は「こんなシェフがハワイに現れたとは!」とかなりの衝撃だった。その後、「Per Se」で一緒に働いていたイギリス人のアンソニー・ラッシュとダウンタウンに「セニア」を開き、多くの日本人客も通う予約の取れない店へと押し上げた。

今回、紹介する「ミロ・カイムキ」はクリスが生まれ育った地元であるカイムキに新しくオープンさせた店だ。

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左:炭火和牛のショートリブをさつまいもと桃、黒にんにくのソースで。右:クリス自らがキャビアを乗せて目の前で仕上げる。チリ産のブラックトリュフを混ぜ込んだパンケーキに、メープルシロップとカルーガ産のキャビアを乗せた一品。

実は初めて食べた時は「セニアと何かが変わったかな?」と、正直クリスの進化を不安視していた。だけど、今回改めてクリスの料理をじっくり味わったところ、やはり彼の料理は絶品だった。

ワインのセレクションもなかなかである。ゲーテの読者だと、ワインはブルゴーニュを好きな人が多いと思うのだけど、世界的にブルゴーニュのワインは値段がかなり上がっている。でもクリスの店はわりあいリーズナブルな価格で提供し、しかもセレクトがいい。穴場ではないだろうか。とくに白は好みだった。Domaine des Contes Lafon,Meursault-2018は、ムルソーのトップの作り手のひとりで、これはとても美味いワイン。なかなか手に入らないRoulotを始め、Raveneau、Leflaiveもある。赤だとClaude DugatやRobert Groffier、Meo-Camuzetなどの作り手がラインアップされている。シャンパーニュもKrug、Chartogne-Tailletなどが揃っていた。

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左:エビのトーストとライチとピーナッツ、アリウムのクランブルにかぼちゃのカレーソース。中:メイン産ホタテと本シメジの焼き飯のおかゆ。右:クリスの定番メニューである「マグロとアボカドのブリオッシュ」。

「ミロ・カイムキ」の通常のプリフィクスメニューがひとり85ドルだ。このスペシャルメニューはおそらく260ドル。シャンパーニュを開けて、コンテラフォンを飲んで、それでこの値段。このメニューはお得感が高い! クリスのスペシャルメニューは、常に予約が取れるとは限らないけど、試してみる価値はあり!

miro-KAIMUKI-(ミロ・カイムキ)
住所:3446 Waialae Ave
電話番号:808-379-0124
通常営業時間:17:00〜22:00
定休日:月曜、火曜

※コロナウイルスの影響により、予告なく営業時間・定休日が変更になることがあります。

賛否両論メキシカン「トラシュカリ」。 食べた結論は・・・絶対行くべき!

もう一店舗推薦したいのは、2021年ダウンタウンにオープンしたメキシコ料理の店「TLAXCALLI(トラシュカリ)」。アステア語でトルティーヤを意味するそう。気になっていた店なんだけど、評価は驚くほど分かれていて、正直どうかな? と思いつつ訪れてみた。食べた結論からいうと、うまい!メキシコで本場の料理を食べた人にはかなり嬉しい店なんじゃないかと思う。とにかく料理が本格的だった。

料理の核となるトルティーヤは、コーンの香ばしさや香りが際立つ本格的な手作り。評価を落としている人たちは、アメリカ人が酒のつまみに好むナチョスやブリトーがないからという理由のよう。でも一品一品の料理のクオリティがかなり高く、これぞ本場の味だと思った。実は店のシェフがメキシコ出身。いわば正統派のメキシコ料理を提供している店。ひと皿目に食べたマグロのセビーチェがあまりにうまくて、評価の数値なんて吹き飛んだ。自家製トルティーヤのうまいこと!

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左:「マグロのセビーチェ」は地元で獲れたアヒ(まぐろ)をトマト、玉ねぎとシトラスソースで和え、サルサマチャをのせたもの。中:「タコス・カペアドス・マサトラン」魚かエビのタコスの上に紫キャベツなどの野菜がたっぷり。サルサ、アイオリソースもかかっている。右:「タコス・デ・アサダ」マリネした牛肉を焼いたカルネアサダにコリアンダーとオニオンをトッピングしたタコス。

コロナの影響でダウンタウンの治安が悪化したせいもあってか、店はかなり空いている。今日もウォークインで入店できたほど。ワイキキの賑わいに比べると応援したい気持ちになる。ワイキキで大人数で入れる店を見つけるのはむずかしい。しかも急に決まったディナーとなると、なかなか直前予約は困難だ。そんなとき、この店はかなりお勧め。うまいメキシカンを、風が気持ちいいテラス席に座り大人数でワイワイ食べる。酒が進むこと間違いなしだ!

気持ちがいいテラス席。まだまだウォークインで入店可能の今が狙い目。

TLAXCALLI(トラシュカリ)
住所:1128 Smith St. Honolulu, HI 96817,Historical Tan Sing Building.
TEL:808-888-5200
営業時間:11:00~14:30、17:00~20:30(月曜~土曜)、9:00~14:00(日曜)

※コロナウイルスの影響により、予告なく営業時間・定休日が変更になることがあります。

【連載 #本田直之のハワイ新常識はこちら】

Naoyuki Honda
レバレッジコンサルティング代表取締役。オンラインサロンHonda Lab.主宰。ハワイと東京に拠点を構え、デュアルライフを実施。ハワイに関する著書や、近著に『パーソナル・トランスフォーメーション』。

COMPOSITION=今井恵

TEXT=本田直之

PHOTOGRAPH=本田直之

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