TRAVEL

2022.06.16

メキシコのリゾートを知らずしてリゾートは語れない! 死ぬまでに一度は行きたい「Hotel Terrestre」

旅は、日常を離れた視点から、自分を俯瞰する機会をくれる。今季も各地に次々とオープンする個性派ホテル。そこには、脳内をリセットし、クリエイティヴな思考が刺激される、極上の非日常空間がある。ホテルを追いかけ世界中を駆け巡るホテルジャーナリスト・せきねきょうこが、リーダーたちのための最新リゾートを厳選する。【特集「旅して、遊ぶ」】

Hotel Terrestr

テクノロジー社会を離れて過ごす、非日常の世界。窓にガラスはなく、息を呑むような自然との一体感を味わえる。雑音のない世界で過ごす極上の休暇を得られる。

ジャングルと大海原、大自然の狭間に憩う

メキシコ通のトラベラーたちがこぞって賛美する美しい太平洋岸のビーチリゾート、プエルトエスコンディド(隠れた港)。その街の郊外には手つかずのジャングルが広がっている。まさにそのジャングルに包まれるように誕生したのが、「Hotel Terrestre」だ。

古代を想わせる建物

古代を想わせる建物は建築家、アルベルト・カラチ氏の作品。厳選された地元材料のみでつくられ、シンプルにメキシコらしさを強調。

2022年2月にオープンしたホテルは、持続可能な精神を礎にミニマルでスタイリッシュなデザインを追求している。スペイン語で“大地”を意味するホテル名のとおり、地球、太陽、海との強いつながりを謳い100%のソーラーエネルギーの利用や、エコな建築資材を利用。スタッフもほとんどがローカルの人々だ。暑い地域にリゾートをつくるにあたり、発想の転換で冷房を使わず、海風と画期的な建築技術によって涼しさが確保され暑さを凌ぐ建物となったというからすごい。

地元食材で作るメキシコ料理

地元食材で作るメキシコ料理とイノベーティブな地中海料理の両方を提供。

7棟(14室)のヴィラにはそれぞれにプールが備わっている。また、土、レンガ、コンクリート、粘土、砂などの自然素材の建物と、メキシコのオリジナル家具の調和が洗練さを強調。メキシコでは珍しくないが、スラットつきの窓にガラスは入っていない。バスルームも屋外にあり、バスアメニティも地元の特性コパルの香り(神の儀式にも使う)がするローカル産だ。午後はハンモックに揺られ、昼寝に勤しむのもメキシコ流。自然に遊んでもらう休暇である。

客室

客室のひとつ。窓にガラスはなく、木製スラットつきドアからも風が通る。

メキシコが誇る建築家アルベルト・カラチ氏設計のこのホテル近くには建築家・安藤忠雄氏設計のアーティスト・イン・レジデンス「CASA WABI」が、またカラチ氏設計のワークショップスペース、また同設計の隠れ家レストランで米国デザイン賞受賞の「KAKUREGA OMAKASE」もあり、大自然の中でもカルチャーやアートの香りがする。まさに、メキシコのリゾートを知らずしてリゾートは語れないのである。

 

プライベートプール

各ヴィラに備わるプライベートプール。

ホテル テレストレ
住所:Carretera Salina Cruz- Pinotepa, 71983 Puerto Escondido, Oax., Mexico
客室数:ヴィラ7棟(14室)

【特集「旅して、遊ぶ」】

TEXT=せきねきょうこ

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