TRAVEL

2020.09.01

海岸線に広がる自分だけの“非密”の楽園「星のや沖縄」【ゲーテ旅特集2020】

三密を避けて、家族や大切な人とゆったりと籠もる。そんな隠れ家のような“非密”のホテルや宿は、新しい旅のスタンダードとなるのではないか。そんな、いつか行きたい“NO密”かつ“濃蜜”なニッポンならではのエクスクルーシブな旅、#stayhotelの愉しみ方を提案する――。

星のや沖縄

豊かな沖縄文化がやさしく迎え入れる

沖縄にはかつて、石垣に囲まれた「グスク」という場所があった。聖域、集落、城、その解釈はいくつかあるが、その壁の中で、人々は雨風から身を守り、文化を育て、豊かな生活を築いてきたのだという。

もし、その「グスク」が現代に現れたとしたら、きっとこんな場所だろう。構想3年、着工から2年を経て、この7月沖縄・読谷村に開業した「星のや沖縄」だ。約1㎞続く白い壁「グスクウォール」と、天然のビーチに挟まれており、入口のドアが開くと、深海をイメージした群青が塗り重ねられた世界が、目に飛びこんでくる。外の太陽の眩しさとは対照的な深い青で、一瞬目が眩む。

グスクウォール

白い壁「グスクウォール」の外観。

エントランスを抜け一歩壁の向こうに足を踏み入れれば、そこには緑豊かな“集落”が広がる。グァバにアセロラ、長命草など沖縄ならではの植物が植えられた畑の間には、琉球瓦をのせた“住人”たちの共有スペースが点在。なかでも海に向く大きな窓を全面開け放てる「道場」では、新しい“住人”を歓迎するかのように、沖縄伝統茶「ぶくぶく茶」が振る舞われる。そして海岸沿いに細長く続く2階建ての建物が、旅の間、“暮らす”ことになる空間だ。

もちろん、すべての“居住空間”はオーシャンビュー。誰もいない海が目の前だから、カーテンを閉める必要はないし、夜はベッドに月明かりが注ぎ、深夜にふと目が覚めて、荘厳な星空に気づく。食事は、メインダイニングのシェフが下準備をすませた料理を届けてくれるから、部屋の調理家電を使って好きな時に仕上げることができる。

“内に籠もる”と決めていても、もちろん“集落”の中心に行きたくなることもある。海との境目が曖昧なまさにインフィニティなプールは24時間オープンしているから、好きな時間に入れる。朝日を浴びながら、水に浮かんでいれば、ここ数ヵ月の緊張がほどけていくはずだ。

インフィニティプール

目の前の海に夕日が沈むインフィニティプール。海と空と一体になる感覚を味わえる。

この広い“集落”の中では、人に遭遇することはあまり多くない。虫の鳴き声のなか、グスクウォール沿いを散策すれば、壁の穴が、読谷村の織物「読谷山花織」の模様になっていることに気がつく。太陽の高さによって刻一刻と影の形を変え、その表情は豊かだ。

何かに“守られている”なんて感覚は長い間忘れられているだろう。でもここで暮らす束の間の時間は、沖縄の人々がそうだったように、この壁に“守られていた”と実感するはずだ。

tea

道場では、沖縄伝統茶「ぶくぶく茶」を点ててもらう。一緒にいただく茶菓子は、読谷のさとうきびを使用したちんすこう。

客室「ハル」(88~94m2)のテラスリビングのソファに腰かければ絶景の夕焼けがすぐそこに。

客室「フゥシ」の土間ダイニングからももちろん青い海が。

客室「フゥシ」(琉球言葉で「星」の意味)の床座リビング。このタイプのお部屋は93~94㎡。

海に開けた芝生も心地よい「道場」では、滞在中に楽しめるアクティビティも開催。 ​

30種類以上のメニューから選び、部屋に運んでもらえるギャザリングサービスも嬉しい。「海鮮マース鍋」は旬の魚貝がたっぷり。

宿に隣接するカフェ「バンタカフェ」の「海辺のテラス」は波打ち際が目の前。

「バンタカフェ」ではカラフルなゼリーの入った「ぶくぶくジュレソーダ」を。

深海をテーマにしたエントランス。沖縄のサンゴを連想させる大きな木が印象的。

乗馬

浜辺を馬に乗って歩くアクティビティ「朝凪よんなー乗馬」。初心者でも体験可。

海へ飛び込む

土間の前で靴を脱ぎ捨てて部屋に飛びこむ。

星のや沖縄
住所:沖縄県中頭郡読谷村字儀間474
TEL:0570-073-066
客室数:100室
料金:¥109,000~(1室あたり、税サ別)
施設:レストラン、カフェ、スパ、プール、道場ほか
詳細はこちら
※1室あたりの料金は、2名1室利用時を基本としています。

TEXT=安井桃子

PHOTOGRAPH=鈴木規仁

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