「ミスショットは身体ではなく頭が生みだす」 ~世界No.1コーチ愛弟子・吉田洋一郎

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム7回目。顧客の多くが国内外のエグゼクティブ、有名企業の経営者という吉田コーチが、スコアも所作も洗練させるための“技術”と“知識”を伝授する。
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「練習ではできてたのに」は当たり前

みっちり練習をして練習場では、10球に8球の確率で課題としていることができたとしよう。でもそれがラウンドでは10球に2球程度しか成功しなかった。そんな経験は誰しもがあるはずだ。では、この60%の乖離は何から生まれるのだろうか。

要因は大きく3つに分けられると考えている。

1.緊張
2.高低差やライ、風といった外部環境
3.考えすぎによるミスショット

は場馴れをするしかない。ラウンドの経験を増やすことと、知らない人と一緒にプレーする回数をこなして自信をつけていこう。

は、以前オススメした「練習ラウンド」を増やすことで経験値がたまっていく。経験値がたまれば、そもそも平らな場所からしか打てない練習場とは成功の確率は異なるということを、体感値として把握できるだろう。よってこれもある程度の経験によって埋まってくる。

もっとも大きな問題は、の「考えすぎ」だ。これは1や2の経験がどれほどたまっても、それを打ち消してミスショットを誘発してしまう可能性がある。一方で3だけは自分の力で解決することができる要因だとも言える。そう、考えるのを止めればよいのだ。

ラウンドではスイングのチェックポイントは重要ではない

ではミスショットを誘発する「考え」とはどんなものか。アマチュアのほとんどがラウンド中のショットの際に、スイングのことを考えている。日ごろから気を付けているチェックポイントを、そのショットでも守れるかと考えていることが多いのではないだろうか。ただしゴルフ場ではショットごとに状況が異なるので、そのチェックポイント通りにできたとしてもナイスショットになるとは限らない。

それよりもコースで求められるのは、どこにボールを運ぶかという点だ。全ショット理想の球筋で飛ばせれば最高だが、プロでもそれは叶わない。曲がってもチョロでもとにかく目標に近づければよいのだ。だから考える必要があるのは、スイングの細かな動きではなく、どうやったらボールがそっち方向行く確率が高いかだ。前のショットを引きずり「次のスイングはここを修正しよう」と言うのは細かな方法論なので、考える優先順位としては低い。それよりも状況判断をして迷いなくアドレスに入る事が重要だ。

アドレスに入ったら、確認するのは方向性くらいにとどめたい。左右1ヤード刻みで狙えるわけではないと思うので、正確にスタンス、肩、フェース面が目標を指しているかを整える必要はない。ここにセンシティブになっていると、かえって身体が固まりスムーズな始動の妨げになったりする。なんとなくあっちの方向に向いている」ことが守れていればOKだ。

考えが多すぎることも問題

このようにある程度は打つ前に考えることを終えておく。そうすればスイングの際に頭の中をシンプルな状態にできる。とは言えスイングのチェックポイントをちゃんと意識したいという人は、アドレス前の素振りで対応するのがよい。ちょっとオーバー過ぎるくらいチェックポイントのことだけを意識して振ってみよう。そしてその動きの感覚が消えないうちにセットアップして打つ。

そうすれば考えすぎて身体が固まることもなく、状況に応じたショットが打てるだろう。

と、ここまで書いてもまだ「このポイントだけは意識して振りたい」という人もいる。そんな人はチェックポイントを1点に絞ってほしい。

考える内容を状況判断にして、考える内容もひとつに絞る。プレー中の頭の中をここまですっきりさせることができれば、それだけでスコアの向上につながる確率が高まるだろう。

次回に続く

Text=吉田洋一郎 Photograph=小林 司 Cooperation=トータルゴルフフィットネス


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吉田洋一郎
吉田洋一郎
欧米のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。世界4大メジャータイトル21勝に貢献した世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターを2度にわたって日本へ招聘し、世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。また、欧米の一流インストラクター約80名に直接学び、世界中のスイング理論を研究。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。シングルを目指すアマチュア、トップアマ、ツアープロまでアスリート志向のゴルファーを指導。2019年ゴルフダイジェスト・レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。
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