一見すると端正に仕立てられたタキシード。着ていく先はなんと、埼玉スタジアムの特別なプライベート空間であった。ドレスアップをしてサッカー観戦という、非日常の超絶体験をここでレポートする。
今までにこんな試合観戦があっただろうか?
GOETHE2023年5月号で発表された、麻布テーラー主催「GOETHE×AZABU TAILOR×URAWA REDS」のスペシャルプロジェクト。
正装で出かける機会が減った昨今。であるならば「オーダーメイドのタキシードを着て、日本で最も熱い声援が飛び交うスタジアムのエクスクルーシブな空間で、他にはない観戦体験を」と考えたのがファッションテーラーのパイオニア・麻布テーラーだ。
タキシードを着て、特別なプライベート空間「VIEWBOX」でサッカー観戦(しかも元日本代表であり浦和レッズのレジェンド・鈴木啓太氏の解説付き!)をするとはどういうことだろう、と思った読者も多かったに違いない。
結論からいうと、このプロジェクトは大成功をおさめた。
当日は、参加者15名の方々が全員揃って、麻布テーラーで仕立てたタキシードスタイルで集合。
また、6月に観戦するという季節に合わせ、タキシードでは珍しいリネンを採用することで、メンバー一同「着心地はもちろんですが、暑くなってきたこの時期にタキシードを着てもまったくストレスを感じませんでした!」と、太鼓判を押していた。
試合の観戦をしていた一般席の観客の方々からも、鈴木啓太氏とタキシード一同の集団がいる!とSNS上でも話題になるほどの注目度があった。
タキシードを着るという日常にはない高揚感に加え、やはり鈴木啓太氏をはじめ一同全員で、麻布テーラーによってそれぞれに合わせ仕立てられた本格的なオーダーのタキシードを着るという一体感が、その非日常的な空気をさらに加速させたのは間違いない。
日常にはない体験をすることで、日常にはない発想が生まれる。特別な一体感を生み出すことで、他にはないコミュニケーションが生まれる。
このプロジェクトは、洋服を愛するプロフェッショナルの方々をサポートしたい、という信条を持つ、麻布テーラーだからこそ実現できたに違いない。フォーマルのルールを把握したうえで新たな着こなしを提案し、伝統への敬意を払った上で、革新を実現する。フォーマルとは決して堅苦しいものではなく、楽しいものであると伝えてくれた気がする。
「オーダー」によって生みだされるものは、決して所有する喜びだけではない。人生を豊かにする時間をも作りだしてくれた。