35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」第148回!
好きな男性の見た目のタイプを聞いたら
先日のアメリカ出張の際に、現地の方と少しお話しをしました。
といっても、その方は日本語がわかるので、会話は完全に日本語。
彼女は感情的になるとうっかり英語が出てしまうことがあったものの、そういう時は難しい単語は使わないので、英語力ゼロの私でもさすがに聞き取れました。
楽しく会話を続けていると、私も調子に乗ってしまいこんなことを聞いてしまいました。
「どんな男性の見た目がタイプですか?」
そこで彼女は感情的になったのか、また英語になりました。
I am not a picky!
「ノット ア ピッキー」と聞こえました。「ピッキーではない」とはどういうことでしょうか。
その後彼女は日本語で話し始めます。
「見た目はそんなにこだわらないかな。優しい人ならいいよ」
その後の会話も滞りなくできたので、あとでホテルに帰ってからこっそりピッキーを辞書で引いたところ、ケンブリッジの英英辞典にはこう書かれていました
picky=Someone who is picky is very careful about choosing only what they like
(好きなものだけを選ぶことにとても注意深い人)
「好みにうるさい」「選り好みする」「細かいことにこだわる」
ということのようでした。
辞書では形容詞と書かれていたので、使い方としては“a”を入れない“I am not picky! ”が正解なのかもしれないのですが、彼女は明らかに“a”を入れていたため、「より好みをする人」という意味の名詞として“picky”を使っていた可能性があります。
“choosy” “fussy”といった同じく「選り好みする」という意味の形容詞が辞書には類語として紹介されています。
さらによくある使い方としてはこんな例文がありました。
The children are such picky eaters.
「その子たち、もうすんごいピッキーイーターなの」
「選り好みする」に“eater”がついて、「食べ物を選り好みする人」ということです。
好き嫌いがすごくあるとか、偏食である、ということでしょうか。
「好きなものを選ぶ」ということは当然の権利ですが、基本的に“picky”はネガティブな意味で使われるようです。「好きなものしか選ばないから、こっちで食事を用意しても食べない」とか「こだわりが強くて面倒くさい」といった印象でしょうか。
コリンズの英英辞典では、このように明らかにネガティブな意味で説明がされています。
Someone who is picky is difficult to please and only likes a small range of things.
(好きなものがとても限られていて、気難しい人)
ポジティブな意味で「こだわりが強い」と表現したい時は“selective”を使うことが多いみたいです。けれどもそもそも「あの人はこだわりが強い」と言いたい時、そこにはなんかしらの批判が含まれているような気がするのは私だけでしょうか。
「男性の見た目に対して、そんなにうるさくこだわらないよ」と言っていた彼女ですが、その後に深堀りしてみると。
「私より背の高い人がいい」
「健康的に日焼けした人がいい」
などなど、続々と見た目の条件が出てきました。
ちなみに彼女は長身のモデル体型だったので、彼女より背の高い男性となるとだいぶ限られてくるような気がしました。
Illustration=Norio