経営者として多忙に働きながら、移動時間はすべて読書に費やすほどの読書家である佐伯真唯子さんの本誌連載“GOETHE CULTURE Book”。2021年、佐伯さんの心に響いたを本をまとめて振り返る。
福祉大国、スウェーデンの金持ち支配が暴露された1冊
スウェーデンといえば、平等・公平を理念に掲げ、国民の誰もが暮らしやすい欧米でも屈指の福祉大国。
そんないい印象を持っている人も多いのではないでしょうか?
私の会社も女性活躍を掲げていることもあり、ジェンダーへの取り組みを国の最重要政策と位置づけているこの国の話を耳にするたび、憧れを抱いていました。
しかし本書では、富豪一族による富の圧倒的な独占、診療待ちに数週間かかる病院、教育改革の失敗により下がり続ける教育レベル、街に溢れる移民や難民、積極的な武器輸出など、私たちが抱くイメージとは真逆の、スウェーデンの知られざる真実が暴かれています。
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「どうしたらクリエイティヴな人間になれるか」が腑に落ちる一冊
長年にわたり「ていねいな暮らし方」を提唱してきた松浦弥太郎さん。私には縁遠い方だと思っていましたが、ふと目に止まったこの本は経営者にもすとーんと刺さり、気持ちが落ち着いていく、漢方薬のような1冊でした。
本書でいうセンスとはつまり、生き方のこと。AIが作業の多くを肩代わりしてくれる効率的な世の中になったからこそ、「どうしたらクリエイティヴな人間になれるか」を考えることが、これからの時代をセンスよく生きるカギになります。
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あなたの会社は大丈夫? 組織の停滞感を払うヒント
場に活気がない、新しいアイデアが出てこないなど、なんとなく組織内に広がるドヨーンとした空気。かといって原因もわからず、そのままズルズルと状況が悪くなっていく……。弊社のようなベンチャー企業でも時折感じることがありますが、本書ではこのような状態を「組織の慢性疾患」と呼んでいます。
一般的に、この慢性疾患を解決するためには抜本的な改革が必要だと思われがちですが、著者の宇田川さんはそうではなく、問題を解きほぐして捉え直すことこそが重要だと説きます。
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