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2021.08.07

創造力がアップする!? まるで空港のようなオフィス

今回ゲーテは、ここ2年の間に新たに誕生したオフィスを取材。そこから見えてきたのは、ここに来れば仲間に会え、アイデアが生まれ、クリエイティブな働き方ができる場所であるということ。それは、行かなければいけないではなく、行きたくなるワークプレイスだ。

bitFlyer

ロビーは飛行機で雲を抜けていくイメージ。ここから各都市=会議室への旅が始まる。

bitFlyerは、クリエイティビティの羽ばたく場を実現

暗号資産取引所を展開するbitFlyerのビジネスは、徹頭徹尾「モノ」を介さない。

通路

通路はフライト中の機上。目に映るのは空と雲。

ならば世の中でリモートミーティングや在宅勤務が浸透する流れのなかで、リアルなオフィスを手放す決断をいち早く下しても不思議はなさそうだが、代表の加納裕三氏はそうした考えをとらない。

応接室

ルクセンブルクの都市「キルシュベルク」の名を冠した応接室。

「私たちの仕事は、プロフェッショナルなスタッフひとりひとりが、自身の力を最大限に発揮してこそ成り立っています。その能力は、人と直に会い、言葉を交わすなかで表れる。発想を具現化する装置として、オフィスという場所は必要です」

「ガラパゴス」

「ガラパゴス」はエクアドル領の諸島。照明が絶海の楽園のきらめきを表す。

オフィスの持つ機能はビジネスに不可欠という考えのもと、昨年、bitFlyerではロビー・会議室エリアを特別な設(しつら)えにした。

「ハバナ」

「ハバナ」はキューバの首都。ポップな色が目をひく。

コンセプトは「Flight Experience」。空港に着いた時のワクワク感、異国の地に降り立った時の驚きや感動を、東京ミッドタウンの33階で味わってもらおう。それによって、時空に縛られない自由な発想を得て、ビジネスを前進させよう、というのが狙いだ。

「パロアルト」

「パロアルト」はシリコンバレーの街。最も大きなスペースで、加納代表の使用頻度が一番高いのはここ。

加納代表はこのオフィスデザイン・プロデュースを自ら主導した。bitFlyer全体のブランディングに資するためだ。

「ナムチェバザール」

「ナムチェバザール」はネパール・ヒマラヤ登山の拠点。壁に雄大な山嶺が描かれる。

「オフィス空間をつくるというより、テーマと経験を生みだしたかった。スタッフやお客様に最高のユーザーエクスペリエンスを提供したいわけです。そのためには揺るぎないコンセプトがまずは重要。それがないと統一感のある空間はできません」

「カッパドキア」

「カッパドキア」はトルコの観光地。照明やカーペットがエキゾチック。

エントランスはフライト前の空港を思い起こさせ、ウェイティングスペースは空港ラウンジ風。各ミーティングルームへと続く通路はフライト中の機上の雰囲気を再現。タイルやカーペットを敷き詰めた床は、空の青と雲の白で揃えられた。

「パナレア」

「パナレア」は地中海に浮かぶ小さな島で開放的な雰囲気。

フライトを経た着陸先は、各ミーティングルームということになる。各々に世界の都市の名が冠されており、雰囲気はどれもまったく異なる。

「マナウス」

「マナウス」はブラジル北部の街。鳥の照明がアマゾンのイメージ。

「どれも私か共同創業者が実際に訪れ感銘を受けたことのある土地。壁は風土に合わせた色の特殊塗料で仕上げました。床に敷き詰めたカーペットは、各都市の航空写真をもとに模様をつくり、オーダーメイドでつくったもの。色や材質を吟味しながらテーブルや椅子を揃え、照明もイメージをデザイナーに伝えながら特別につくったものです」

「ロヴァニエミ」

「ロヴァニエミ」はフィンランド北部の都市。壁にオーロラが輝く。

この徹底したこだわりが存分に「クリエイティビティの羽ばたく場」を実現している。

 

「マサイマラ」

「マサイマラ」はケニアの国立保護区。照明で満天の星を表す。

COMPANY
ビットフライヤー

EMPLOYEES
約200名

SPACE
3フロア、約6,000㎡

KICK OFF
2019年7月

国内最大級の暗号資産取引所、bitFlyerは2014年に設立。’17年に東京ミッドタウン・タワーにオフィスを展開し、’19年、「空の旅」をコンセプトにした33階のロビー・会議室エリアを拡張した。

TEXT=山内宏泰

PHOTOGRAPH=川口賢典

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