日本人の2人に1人以上が罹患し、40代以降の死因の43%以上を占めるといわれるがん。そのリスクを初期段階で、たった1回の採血で検知できるマイクロCTC検査の全貌に迫る。

CTC検査事業責任者
マイクロCTC検査先進医療研究所所長
医学博士 太田剛志
(元順天堂大学医学部先任准教授 悪性腫瘍専門)
1973年長野県生まれ。1999年順天堂大学医学部を卒業後、2005年に同大学院を修了し博士号を取得。2017年、順天堂医院先任准教授に就任し、悪性腫瘍の専門・指導医として活躍。2022年より現職。
5分の採血でがんのリスクがわかる「マイクロCTC検査」
がんは初期の段階では自覚症状がほぼ現われないため、早期発見には検診が有効だが、乳がん、肺がんなど、1つの部位だけのがん検診でさえ受診率はどれも50%以下と低い。その主な理由は、「時間がないから」。全身のがん検診の場合はCT、MRIに加え胃、大腸の検査も含み丸1日以上かかり、費用も30万円近くに。そこで今大きな注目を集めているのが、わずか1回5分の採血のみで、血中に漏れ出しているがん細胞そのものを発見できるマイクロCTC検査だ。
「がん細胞は増殖の過程で新生血管をつくり、血管とつながり血中に漏れだします。これをCTC(Circulating Tumor Cells:血中循環がん細胞)と呼びます。我々はこの漏れ出したがん細胞の中でも、浸潤・転移の高い能力を持った悪性度の高いがん細胞だけを特定して捕捉します。そうすることで、体のどこかに既に浸潤・転移を起こしているがんがある、もしくはこれから起こそうとしているがんがある、というリスクが明確にわかります」と話すのは、太田剛志医師。
全身のがんリスクがわかるマイクロCTC検査とは?

上の図は左から右へがんが進展・悪性化している様子を表したもの。最初、がんは悪性度の低い上皮性のがん細胞のみだが、進展・悪性化していく過程で上皮間葉転換がおこり、浸潤・転移の高い能力を持つ間葉系のがん細胞に形質変化を起こす。マイクロCTC検査では、この血中に漏れ出した間葉系のがん細胞のみを特定して捕捉でき、その個数まで明示することで、進展・悪性化しているがん細胞が体のどこかにあるというリスクを明確にする。
世界では既に関連論文が3万以上も発表されており、がん患者に対する治療・研究の効果を可視化する先端研究ツールとして使われるCTC検査を転用し、健常者に対する全身がんリスク検査サービスとして実用化させた。
医療の世界ではCTやMRIなどで影が見つかっても、それはあくまでも“がんの疑い”であってがんの確定診断とはならない。「がん確定診断」と検索すると、「がんが確定するのは、針生検や手術で腫瘍の一部を採取、疑わしい領域からのサンプルが顕微鏡で検査され、がん細胞の存在が確認されたときです」といった内容が出てくる。まさに「がん細胞の存在が確認されたとき」が、がんの確定診断となるのである。
そういった意味では検査の段階で、血中に漏れ出したがん細胞そのものの有無が確認できるマイクロCTC検査は、リスクが高いか低いかしかわからなかった従来のがんリスク検査と比べて、画期的なものだと言えるのではないだろうか。
「私は長年がん治療に従事していますが、発見が遅れたがゆえに命を落とす人は少なくありません。この検査を普及させ、がんの不安と苦しみをなくしたい。それが自分の使命だと感じ、事業への参画を決めました。マイクロCTC検査が普及することで、がんで亡くなる人をもっと減らせると信じています」
時間がないことを理由に何年も全身がん検査を受けておらず、自覚症状が現れて発見された時には、既に手遅れという出来事が後を絶たない国内のがん事情。たった1回5分の採血だけなら毎年の受検も可能だ。健康でい続けるための未来への投資として、多忙なエグゼクティブこそぜひ活用したい。
代々木ウィルクリニック
住所:東京都渋谷区代々木1-35-1 プレンジ代々木2F
TEL:03-5990-6184
受付時間:9:00~12:00、13:00~18:00
定休日:不定休
【マイクロCTC検査】
全国約170ヵ所の提携クリニックにて提供中。2025年3月末までは9万円(税抜。通常価格は¥198,000 ※要別途初診料)で受検可能な「がん啓発月間キャンペーン」実施中。