EXILEをはじめLDH所属のアーティストや五輪メダリスト、経営者などをサポートする、フィジカルトレーナー吉田輝幸さんによる著書『6つの力を養い、理想の働き方を叶えるトレーニング』から最新トレーニング理論を大公開。これまでの連載をピックアップして紹介する。寒さで憂鬱な冬にこそ家トレを強化し、目指せ! ビジネスアスリート。
正しい呼吸が疲れない身体を作る!
「ヨガが流行ったり、マインドフルネスをする人が増えたりして、最近は『呼吸』についての意識が高まっていると思います」
ビジネスアスリートのための最先端トレーニング、トレーナーの吉田輝幸さんが指南する実践初回は、正しい呼吸法。それを「取り戻す」と言ったほうがふさわしい。
「人間は本来、誰に教わることなく自然な呼吸ができるようになっています。でも、多くの人が日頃から『自然ではない呼吸』をしてしまっているのが現状です」(吉田さん)
では、自然な呼吸、自然でない呼吸とは何か。前回、まだ筋肉の少ない赤ちゃんが寝返りやハイハイ、二足歩行などさまざまな動きをスムーズに行えるのは、体のコア(体幹)をうまく使えているからだと述べた。また、コア(体幹)とは腹筋など体の特定の筋肉のみを指すのではなく、呼吸や、立つ、歩くといった人間の体の基本的な動きも含めたベースメントを広く意味するものだという、国内外のトレーニングの最新動向を熟知する吉田さんならではの情報も紹介した。
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▼ブリージング(仰向け)
目的:横隔膜を稼働させ、インナーマッスルを起動する
部位:横隔膜、胸郭、腹部全全体
〈回数の目安〉5回/1~2分
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うつぶせ呼吸で全身の機能アップ
生命活動の基本であり、運動するうえでも、また日常のなかでビジネスにあたるにも欠かせない呼吸。前回は、人間が本来持ち得た深い腹式呼吸を、寝そべって仰向けで行う呼吸法をお伝えした。今回は、そのうつぶせ編。この2つはセットで行うとよい。吉田輝幸コーチによると、
「どちらか一方がやりにくいと気づく人も多いはずです。腹部と背中、四肢や肩などの右と左、そうした部位の上げ下げや、屈曲、伸長といった動きについても、多くの人が偏った使い方をしてしまっており、それがクセになっているもの。そのまま続けているとその部分だけ負担が増して、怪我や故障のもとになります。体の動かし方に何のクセもつかないように、相対する動きを両方行いバランスよく整えます」
うつぶせ呼吸では特に、普段は意識しづらい背中にも空気が入って膨らむ感覚をつかみとる。息を吸って腹部が床を押すように膨らむと同時に背骨が自然に持ち上がり、腰から背中にかけても動きやすくなる。腹部の横隔膜が下腹のほうに下がるとともに、胸郭(肋骨)が開いて肺に空気が送り込まれると、それに合わせて背中の上部や肩甲骨が動くこともわかるだろう。
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▼ブリージング(うつぶせ)
目的:横隔膜・胸郭を稼働させ、インナーマッスルを起動
部位:横隔膜、胸郭、腹部全面、背筋
〈回数の目安〉5~10回/1~2分
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背骨の柔軟運動
戦う身体を作りあげる新・体幹トレーニング。実践編の第3回目は、背骨の柔軟性を高める運動だ。
「前回の呼吸のトレーニングで、人間は誰でも体の左右や前後などどちらか一方に偏った使い方をしているという話をしました。特に、体の背面は日常動作の中で意識することがほとんどないため、うまく使えていない人が多いのです」
こう語るのは、本連載を指南するコーチの吉田輝幸さん。一線で働くビジネスパーソンを「ビジネスアスリート」と位置づけ、どんなシーンでも機敏に動ける体づくりを提唱する。吉田さんの言うとおり、背中や背骨は使うのが難しい部位だ。姿勢ひとつをとっても、背中が丸まった猫背になったり、背筋を伸ばそうとすると反り腰になり尻が突き出てしまったり。いずれも、背骨がかたくこわばっていて柔軟に動かせず、そのために背中の筋肉もうまく使えていないことによる。
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▼ロールアップ
目的:背骨の柔軟性を高め、インナーマッスルを起動する
部位:脊柱、背筋、腹筋
〈回数の目安〉5回~10回
▼動画レッスンはこちら