スポ-ツ選手の使命が試合で勝つことなら、ビジネスパーソンのそれは、仕事で成果を上げること。そんな「ビジネスアスリート」に必要な、機敏に動ける体づくりのメソッドをEXILEフィジカルコーチにして名だたる経営者たちのトレーニングも担う吉田輝幸さんが紹介する本連載。人の体の動きの根源(コア)である「赤ちゃんの動きのトレーニング」×「筋トレ」×「機能的なムーブメント」の組み合わせで、最短で最大の効果を生む最先端トレーニングを紹介する。今回は、背骨の柔軟性を上げてインナーマッスル優位の体になるためのトレーニング。
背骨をやわらかくしてインナーマッスルを使える体に
戦う身体を作りあげる新・体幹トレーニング。実践編の第3回目は、背骨の柔軟性を高める運動だ。
「前回の呼吸のトレーニングで、人間は誰でも体の左右や前後などどちらか一方に偏った使い方をしているという話をしました。特に、体の背面は日常動作の中で意識することがほとんどないため、うまく使えていない人が多いのです」
こう語るのは、本連載を指南するコーチの吉田輝幸さん。一線で働くビジネスパーソンを「ビジネスアスリート」と位置づけ、どんなシーンでも機敏に動ける体づくりを提唱する。吉田さんの言うとおり、背中や背骨は使うのが難しい部位だ。姿勢ひとつをとっても、背中が丸まった猫背になったり、背筋を伸ばそうとすると反り腰になり尻が突き出てしまったり。いずれも、背骨がかたくこわばっていて柔軟に動かせず、そのために背中の筋肉もうまく使えていないことによる。
「そのままの悪い姿勢を続けていると、肩こりや腰痛のもとにもなるし、ますます動けない体になります。営業など歩く仕事もデスク作業も、ビジネスアスリートの体の動きには背骨を機能的に働かせることが大事です」
そのために今回行うのが、背骨主導で上体を起き上がらせるトレーニング。寝そべった状態で行うため、重力の負荷を受けることなく効率的に体の使い方を会得できる。ポイントは、高く伸ばして組んだ両手に「視線」を向けること。
「『目で見る』ことと体幹は連動していて、インナーマッスルのスイッチをオンにできるのです。目線を使って、背骨を動かす。これを意識して、体幹主導の動きをマスターしてください。過去2回で学んだ呼吸も合わせることで、よりよい動きが可能になります」
▼ロールアップ
目的:背骨の柔軟性を高め、インナーマッスルを起動する
部位:脊柱、背筋、腹筋
〈回数の目安〉5回~10回
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Teruyuki Yoshida
パフォーマンス、スペシャリスト。トレーナー歴25年で数多くのトップアスリート指導からヒントを得て最短で最大の効果を出せる「コアパフォーマンス®︎」を考案し、数多くのトップアスリートやアーティスト、ビジネスパーソンのトレーニング指導をおこなっている。