GOLF

2022.04.03

ゴルフ上達のヒントを復習!──連載「吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン」

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎。顧客の多くが国内外のエグゼクティブ、有名企業の経営者という彼による、スコアも所作も洗練させるための“技術”と“知識”を伝授する最新ゴルフレッスンコラムをまとめて振り返る。コソ練を積み重ねてスコアアップを目指したい。

左足を踏みこんだままでは地面反力は使えない

地面反力を上手に使えば、非力なアマチュアでもボールを遠くに飛ばすことができる。そう聞いて、自分も地面反力を使ったスイングを身に付けようと考える人は少なくないだろう。しかし、せっかく取り組んでみても「遠くに飛ばない」どころか、「ダフってばかりでまともに当たらない」と諦めてしまう人もいるかもしれない。

地面反力をうまく活用できない人は、ダウンスイングで左足を踏み込もうと頑張るあまり、インパクトで左膝が曲がったまま目標方向に流れている人が多い。ボールを打つ瞬間に地面を踏み込んだ状態だと、力が伝わりそうな気がするが、それでは地面からの反力を使うことはできない。むしろ、左足を踏み込んだままだと、身体の回転が阻害され、クラブのリリースができなくなりダフってしまう。そもそも地面反力というのは、「地面を押して返ってくる力」なので、押し続けていては何も返ってこないため反力の恩恵を受けることができない。

PGAツアーの選手であるジャスティン・トーマスは、インパクトの瞬間、左足が地面から離れ、ジャンプしているような状態になっている。トーマスほど極端に行う必要はないが、ダウンスイングで左足を踏み込んだ後、その反力で左膝が伸び、左股関節が切れ上がっていくイメージを持つことが大切になる。地面反力を適切に使ったスイングでは、トーマスのように、インパクトの瞬間に反力によって左サイドが伸びている状態になるのが正解だ。

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ゴルフ初級者でもわかる! シャローイングとは?


ここ数年、「シャローイング」という言葉をゴルフ雑誌やレッスン動画で見聞きしたことがあるのではないだろうか。シャローイングの「シャロー」とは「浅い」という意味があり、ダウンスイング初期にクラブを寝かせ、緩やかな角度で下ろすことだ。逆に、カット軌道のスライサーにありがちな、クラブが立った状態で急角度にクラブを振り下ろすことを「スティープ」という。

日本では「シャロー」という言葉は、あまり馴染みがなかったが、欧米では昔から使われている言葉だ。ベン・ホーガンやボビー・ジョーンズといった往年の名選手もシャロー軌道のダウンスイングをしていたが、近年、科学的な分析によってダウンスイング軌道をシャローにすることのメリットが裏づけられ、注目を集めるようになった。

ダウンスイングの角度がシャローになることで、インサイドからクラブが下りドローボールが打ちやすくなる。加えて、ダウンスイング後半にパッシブトルクと呼ばれる外力を使えるようになるため、ヘッドスピードが上がり飛距離も出るようになる。

シャローイングについて「切り返しでクラブが倒れる」もしくは「クラブを寝かせる」などと説明されることがあるが、この動きを手や腕を使ってクラブをシャローな状態にすることだと勘違いしている人がいるかもしれない。特にありがちなのは、ダウンスイングで腕を自分の身体に引きつけて、クラブを寝かせようとする人だ。確かに右肘を身体に引きつけると、クラブが倒れて角度が浅くなるのだが、腕が窮屈になりしっかり振り切ることができなくなる。更に、身体と腕のシンクロが崩れることで振り遅れの状態になるため、飛距離をロスするだけではなく、方向性も損なうことになる。

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ポイントは膝! 確認すべきアドレス


新年を迎え、今年のゴルフの目標を立てた人も多いと思う。昨年1年間のプレーや練習を振り返り、良かった点と悪かった点を確認しながら目標を立ててみてほしい。
ゴルフを上達するためには、最終的なゴールを見据えながら課題をクリアしていくことが欠かせないが、時には立ち止まって基本を確認してみることも大切だ。なかなか上達しないと悩む人の中には、気づかないうちにスイングの基本的なスキルに狂いが出て不調に陥っていることが多い。そこで今回は基本に立ち返り、アドレスの作り方を確認したいと思う。

プロや上級者のアドレスをみると、見た目がカッコよく、いかにも良い球を打ちそうな雰囲気を漂わせている。アドレスの見た目が良いということは、機能性に優れているということでもあるので、アドレス時の姿勢を見ればある程度力量がわかるものだ。一目置かれるゴルファーになるためには、カッコいいアドレスをすることは欠かせない。

カッコいいアドレスと見た目の良くないアドレスを分けるもの、そのポイントは「膝」にある。
アドレスの見た目が良くない人は、たいてい膝が大きく曲がって骨盤が後傾したアドレスになっている。腰が落ち、膝がつま先よりも前に出てしまっているアドレスでは見た目が良くないのはもちろん、機能的にも問題が出てしまうので避けたいところだ。このようなアドレスをしている人は、膝を曲げてどっしり構えようとしたり、下半身に力を入れて固定させようと気を付けている場合が多い。

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TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林 司

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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