GOLF

2022.02.26

冬にオススメなインドア練習場の活用法──連載「吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン」

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎。顧客の多くが国内外のエグゼクティブ、有名企業の経営者という彼による、スコアも所作も洗練させるための“技術”と“知識”を伝授する最新ゴルフレッスンコラムをまとめて振り返る。まだまだ厳しい寒さが続くが、ゴルフシーズン到来に向け、コソ練を積み重ねてスコアアップを目指したい。

冬に差をつける、インドアゴルフ練習場活用法

吉田洋一郎

エリアにもよるが外気温が15度を下回ってくると、練習場へ通う人の足が重くなる気がする。ラウンド前でも気温が下がるほどレンジに向かうのが面倒に感じる人もいるのではないだろうか。

コーチの立場からすると、寒いからといって一冬クラブを振らずに過ごすことはおすすめできない。練習量が多いプロは意図的にボールを打たない時間を作ることで、精神的なリフレッシュをしたりゴルフの方向性を再確認したりしてオフシーズンを過ごすことがある。しかしアマチュアは、絶対的な振り込みの数が少ないため、クラブを振る回数を減らすことは土台の崩壊につながる。かといって嫌がる頭と体にムチ打ち、極寒の中、練習場に行こうとは言わない。モチベーションが低い中で練習をしても、得られるリターンは少ないからだ。そこでおすすめしたいのがインドア練習場だ。

以前はスタジオにいるコーチにレッスンを受けなければ、そのインドア練習場を使えないところが多かったが、最近では「練習のみもOK」という場所が増えている。インドア練習場は、ボールの行方が見えないから不安(もしくは意味がない)と思っているアマチュアは意外と多い。しかし実はそれこそが最大のメリットでもあるのだ。ボールの行方が見えていると、その打球で自分のスイングを判断しがちだ。偶然真っすぐ行ったボールも、「今、●●の動きを気にしたからよかったんだ」と都合のいい解釈しがちだ。これを繰り返すと上達への遠回りとなる。ボールの行方が見えなければ自分の動きに集中できる。「飛んだ、寄った」という結果に左右されず、スイングの作りこみという過程部分に集中できるのだ。

インドア練習場は、解析機やシミュレーターのグレードなど設備面をアピールしているところが多いが、大事なのはいつでも通えるという点だ。設備が充実していることに越したことはないが、打とうと思ったときに行けることが何より重要だ。だから選ぶ際は、家や職場からの近さ、そして打席数がポイントになる。「飛んでいくボールを見る」という、楽しみの一つがないため、「寒いし、遠いし」というネガティブな感情に支配されがちだ。それを拭うには、最初から言い訳になりそうな事を排除しておいたほうが良い。

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フェース面より底面を! バンカーショットの失敗が格段に減る方法

吉田洋一郎

バンカーショットが苦手なアマチュアの多くは「球が上がらない」という悩みを持っている。打ち出し角を高くするために手先を使ってボールの下からすくい打とうとするが、ボールと砂の間には隙間がないため、リーディングエッジでボールをつつく形になりトップ(いわゆるホームラン)が出てしまう。もしくは下からすくい打とうとすることでダウンスイングで右肩が下がり、ボールのはるか手前にヘッドが落ち、砂の中にヘッドが埋もれてしまう。上げようという意識が強いほどこれらのミスが出やすくなり、「ホームラン」か「ザックリ」かという結果になりがちだ。

バンカーショットはフェース面でボールをすくうのではなく、ボールの下の砂をはじくことでボールを押し出すものだ。このコンタクトする対象をボールではなく砂だと認識することで、ミスショットが減る人も多くいる。

砂を押し出すのはフェース面ではなく、ソール部分の出っ張った部分であるバウンスだ。この底面で砂を上から叩くことで、周りの砂がはじかれてそれに乗ってボールが飛び出していく。だからインパクトで意識するのはクラブのフェース面ではなく底面だ。

このバウンスを意識した打ち方。実はバンカーショットだけではなく、通常のアプローチでも有効だ。リーディングエッジよりバウンスを先に接地させられれば、ヘッドが地面に刺さることはない。そのためにはハンドファーストの意識をなくすことがポイントだ。ハンドファーストにすると、ダウンスイングでリーディングエッジが先行して下りてきやすく、バウンスより先に接地してザックリになってしまう。

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なぜ、どの理論でもゴルフクラブを握る力を柔らかくするように教えるのか?

吉田洋一郎

ゴルフスイングには数多の理論が存在するが、共通しているのが「グリップは強く握らず、柔らかく握る」という点だ。それはスイングの主役が体ではなく、クラブだからである。

私がスイングで大事にしているのは、形よりも動きだ。何度か紹介をしているが、テークバックやインパクトでどんなポジションに収めるかより、クラブの振りやすさや体全体が連動して動くことの方が重要だ。ある1点のポジションを正しくしても、それをつなぎ合わせて一連の動きにすることはできない。始動からフィニッシュまで3秒にも満たない動きの中で、体のポジションを意図的に作りながらスイング構築するためにはかなり専門的な知識が必要になる。

では、正しい動きはどのように身につけるか。語弊を恐れずに言えば、最初のうちは形なんてどうでもいい。それくらい、気持ちよく振ることを大切にしてほしい。なぜならボールを打つときに重要なのは、クラブヘッドを高速で動かすことだからだ(速くなければ遠くに飛ばないし、スピンがかからず高さも出ない)。形ばかりを気にしているとそれっぽい動きになるかもしれないが、ヘッドスピードを速くすることはできない。だからポジションの形で悩んでいる人は、その時間を「どうやったらクラブが速く動くか」ということに使って欲しい。主役であるクラブを動かすために、体をどう使うと良いか逆算して考えるといいだろう。

クラブが主役のため、そのクラブが動きたがっている動きを妨げてはいけない。その力こそが最速のヘッドスピードを作り出す。スイングの前半部分は体がエネルギーを生み出すが、ダウンスイングの後半から体の動きはクラブを支えるだけだ。方向性を決める程度のハンドル的な要素が強い。

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TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林 司、松川 忍

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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