世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎。顧客の多くが国内外のエグゼクティブ、有名企業の経営者という彼による、スコアも所作も洗練させるための“技術”と“知識”を伝授する最新ゴルフレッスンコラムをまとめて振り返る。まだまだ厳しい寒さが続くが、ゴルフシーズン到来に向け、コソ練を積み重ねてスコアアップを目指したい。
ゴルフスイングが安定! アマチュアが意識すべき、縦串以外の2つの軸とは
スイングづくりで重要な役割を果たす、"軸"。体、そしてクラブは回転運動なので、その中心になる軸は必要不可欠だ。軸を維持できないと回転の中心が不安定になるので、再現性が低くなったり遠心力を生かせなかったりする。
体の動きを説明するとき、ほとんどの場合、軸は背骨と説明される。頭から地面にかけて串を通すようなイメージだ。横回転の軸になる垂直軸である。実はこの垂直軸の他にも、スイングには2つの軸が存在する。
1つはへその下あたりで体の前後に通る前後軸だ。これは右肩と左肩を入れ替える動き(肩の縦回転)の中心になる軸だ。前傾を深く構えるパッティングストロークなどで意識することがあるかもしれない。
そしてもう一つは、腰のあたりを横に貫く飛球線方向軸だ。右腰から左腰に飛球線と平行に貫かれているイメージだ。これは体の前後方向の回転の軸で、スイング中に遠心力で体が起きたり沈んだりする際、その動きの中心になる。
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手打ちにサヨナラできる”運動連鎖体感動作”
アマチュアはプロと違って、筋力トレーニングや体のメンテナンスなどに時間を割くことができない。そこで大事にしてほしいのが、効率よく力を出すということだ。筋力がなくても、また年を重ねてパワーが落ちてきても、効率を追求していくことでエネルギー出力は上がる。
効率よく力を出すには、動かす順番がもっとも重要だ。クラブフェースの向きやクラブの軌道など、一つ一つの動きのポジションを最適化していく作業はもちろん大事だ。しかし、動かす順番を改善することでそれらの要素が自然と改善する場合があるほどスイング全体に大きな影響を与える。
打つ、投げるといった全身運動は、基本的に下半身から始動し、その動きが上半身へと移っていく。動きの分かりやすい野球を例に挙げると、投げるときも打つときも左足を上げて目標方向に向けて踏み込み、連動するように腰が回って最後に作用点の手が動く。この一連の動きを運動連鎖といい、この動きの連鎖が効率的に力を出すには欠かせない。
人はどうしても日ごろ使っている手などの末端部分に力を入れがちだ。ゴルフでいうところの手打ちは、連鎖ができておらず腕や手だけを動かして、力を出し切れていない例といえる。まずは運動連鎖というものがどんなものなのかを体感してみてほしい。
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勢いよく跳ね上がるシーソーがイメージ!? スイングスピードを上げるコツ
地面からの反動の力を使い体を高速で回転させる、地面反力を使ったスイング。飛ばしのトレンドではあるが「上下」のエネルギーが「回転」に転換されるという点が、なかなか理解されにくい。そこで簡単ではあるが改めて仕組みを説明したいと思う。
地面を踏み込むと反動の力が生まれる。垂直飛びをするとき、地面を押すことで上方向へのエネルギーが発生し、結果として高く飛ぶことができるのと同じ原理である。これが地面反力だ。
ここからが本題。「タテの地面反力」→「体の回転」の仕組みを理解するには今までとは異なる軸回転のイメージを持つ必要がある。通常、軸回転をイメージすると頭から地面に向かって伸びる垂直の軸を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、ゴルフの軸回転には3つの軸が存在する。ここでは3つの軸のうちの一つ、「前後軸」をイメージしてほしい。まず、上半身を地面と平行になるまで前傾させ、両肩を結んだラインをシーソーに見立ててほしい。支点となるのは両肩の中心である背骨だ。ダウンスイングで左足に生まれた反力は、左サイドを引っ張り上げ右サイドはその反作用で下方向に引き下ろされる。両肩が背骨を中心に高速に右回転する。これがタテの力が回転の速さに転換される仕組みだ。
地面反力は垂直飛びと同じ仕組みなので、それを生み出すこと自体は誰でもできる。しかし体の回転に変換するためには、外してはいけないポイントがある。支点と前傾角度を維持することだ。
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