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GOLF

2018.10.02

ゴルフ上達のためには"ドライバーを抜いて"練習場へ

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム17回目。顧客の多くが国内外のエグゼクティブ、有名企業の経営者という吉田コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

吉田洋一郎

練習が"打ちっぱなしに"なっていないか

練習場のことを「打ちっぱなし」という。打ったままボールを拾いに行かなくてよいのでこんなネーミングがついているのだが、アマチュアは練習内容が“打ちっぱなし”になっていることが多い。

つまり、打ったままで終わり。計画や課題の克服、修正をせず、決められた時間や球数をこなして終わってしまう。これではなかなか練習の結果が積み上がらず、上達には時間がかかる。

そんな人たちの練習内容を見ていて共通しているのは、球数に対するドライバーショットの割合が多いことだ。ドライバーはインパクト音が高くダイナミックに体を動かすので「やっている感」が出る練習だ。遠くに飛ばせるので気持ちもよい。

しかし、ドライバーは1ラウンドで多くても14回しか使わないため、練習の大半をドライバーショットに費やすのは実戦を想定した練習とは言えない。

ドライバーショットの練習ばかりを行わないほうがいい理由は他にもある。長くてクラブのエネルギーが大きいドライバーは、スイング作りには向いていない。ティアップされていてウッド形状であるため、スイングの汎用性が低いとも言える。ロングアイアン以下のクラブとスイングと比べて動き方やイメージが異なるため、ドライバーショットをたくさん打ったからといってアイアンのスイングが向上することはないのだ。

さらにドライバーショットを練習しているとスイング中の動きを修正することよりも、球が「飛んだ」とか「曲がった」といったことに一喜一憂してしまう。欧米のティーチングの格言に「球を先生にするな」というものがあるが、球がまっすぐ行ったとしてもスイングが適切であるとは限らない。何度も打っているうちにアジャストできるようになっただけかもしれないので、練習で球がまっすぐに飛ぶことは、スイング構築において本当に重視すべきことではないのだ。

ここまで伝えても、たいていの人はドライバーの練習量を減らさない。“飛ばし”には“上達”とは同じ文脈では語れない、魔力のようなものがあるのかもしれない。上達を目指すアマチュアがその魔力に勝つためには、ドライバーを抜いて練習場に向かうしかない。

なぜ練習は「アイアンでやるのがよい」のか

ゴルフ上達のために練習場で行って欲しいことは2つだ。再現性を高めるスイング構築と、実戦を想定した課題克服の練習だ。フォームを固めたいなら、同じことを意識して根気強く練習を繰り返すのがよい。番手もある程度固定したほうがよい。

スイング構築にピッチングウェッジと、7番アイアンでの練習がおすすめだ。ピッチングウェッジはロフトがあり、シャフトが短いためボールが上がりやすくコントロールもしやすい。スイング構築で慣れない動きを行う際に、簡単なクラブで成功体験を積み重ねながら基礎的な動きを繰り返すことをお薦めする。特に片手打ちなどのドリル系には適したクラブだ。

7番アイアンは長さが程よくロフト角もセッティングの中心になるので、ドリルなどで行った基礎練習をフルスイングに昇華させる際に打つと良いだろう。課題点を確認しながらハーフスイングを行い、慣れてきたら徐々にフルスイングに近づけていく。球を曲げることもできるし、転がしやリカバリーショットにも使えるため、7番アイアンに慣れておくことは実戦での武器にもなる。だからスイング固めのほかにもショットのバリエーションを増やすときも7番アイアンを使ってみてほしい。

実践を想定した練習もピッチングウェッジと7番アイアンを中心に行うといいだろう。これらの番手はグリーンを狙う状況で用いられるので、ターゲットを決めて距離と方向性に気を付けながら練習したい。ある程度狙った方向に打てるようになったら次はロングアイアンだ。ドライバーを振るのはまだ我慢。ロングアイアンで長い番手になれる練習をする。そうやって順々に番手を上げていき、最後にドライバーにたどり着く。

その頃にはフェース面の使い方や、スイングのバランスもよくなっており、ドライバーの重点的な練習は不要になっているかもしれない。

急がば回れ。難しいドライバーにおいてウルトラC的な上達方法はない。まずはショートアイアンと7番アイアンでスイングの再現性を高めることが、もっとも近道なのだ。

TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林 司

COOPERATION=トータルゴルフフィットネス

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