昨今、デニムやスウェットなどの古き良きベーシックアイテムに再び注目が集まっている。ここ日本における、これらの源流を辿ると1960年代に遡るといわれるが、広く一般に認知されたのは1970年代のこと。その一翼を担ったのが、ハリウッド ランチ マーケットだ。今回、創業者ゲン垂水氏に’95年に生まれた名品「ストレッチフライス®」について語ってもらった。
長年培ってきた審美眼をもってして作った名品
ハリウッド ランチ マーケットのオリジナルアイテムと聞いて、ジーンズ「PP4XX」を思い浮かべる人は多いだろう。旧式の力織機で織られたセルビッチデニムなど、ヴィンテージデニムの要素を踏襲した作りは、現在バリエーションを拡大しながら受け継がれている。そんなジーンズとともに、オリジナルアイテムにおける定番、いやもはや名品とされるものがある。それが、ストレッチフライス®だ。
’95年に誕生し、その名のとおり袖を通した瞬間になじむ伸縮性の高い着心地が魅力だ。
「下着感覚のシャツを模索して作ったのがきっかけ。肌に当たる部分の不快感を、いかになくすかにこだわった。理解ある工場に出会い、縫製工場側でも減少していたフラットミーマシンを導入した。生地開発と扱いの難しいミシンの縫い方の研修を行うなど、品質を高める努力をして頂き、納得のゆくものが完成し、本当に感謝している」
当時の仕様を変えることなく、それでいてワイドシルエットやシーズナルカラーの提案など、時代やトレンドに沿ってラインナップを変化させている。ウェブサイトの特設ページも、往年のファンからすれば新鮮だろう。矜持を貫きながら、変化を柔軟に受け入れているというわけだ。
そんなストレッチフライス®とともに、今となっては不動の地位を確立したハリウッド ランチ マーケットだが、オープン当初は手探りだったとか。
「はじめの頃は来客も少なく、またわざわざ遠くから来てくれたが場所がわからないお客様を、代官山駅まで迎えに行ったこともあった。ただ、その頃から価値観が多様化し始め、当時型破りだったハリウッド ランチ マーケットの提案は、前衛的な人たちから支持されていたと思う」
最後に、ゲン垂水氏は今後のハリウッド ランチ マーケットのあるべき姿についてこう語る。
「常に進化し、そして成長し続けるお店でありたい。それぞれの時代を生きる人の心に響く、そしてテーマである名残り・旬・走りをバランス良く組み合わせたアイテムを作ってゆきたい。この先の時代がどうなるかはわからないが、常に洒落者の坩堝でいられるように」
それはまさに、単にファッションではなく“生き方”を提案してきたゲン垂水氏そのもの。ストレッチフライス®は、それを肌に感じさせてくれる。
語りどころが沢山あるシンプル&ベーシック
そもそもは、アンダーウェアとして開発されたストレッチフライス®。現在ではルーズシルエットもラインナップ入りしているが、基本的にそれぞれの形がスリムシルエットなのはそのためだ。ちなみに、ハリウッド ランチ マーケットが一から開発したストレッチフライス®は、商標登録がされている。このホワイトのモデルは、ロングスリーブTシャツ。サイズはXS〜XXLとユニセックス展開。
基本は変えずも、時代に寄り添い続ける永遠の定番
現在展開するストレッチフライス®シリーズは、ショートスリーブのクルーとVネック、ハーフスリーブのクルーとVネック、ロングスリーブのクルーとVネック、ショートスリーブのルースフィット、ロングスリーブのタートルネック、ボクサーブリーフ、ショートスリーブのボーダー、2トーンと、多様なニーズに答える。これに色展開も加わることで、シーズンを問わず楽しめるバリエーションが豊富に揃う。
問い合わせ
ハリウッド ランチ マーケット TEL:03-3463-5668