ジョンロブ「ヘンリー」、一枚革を成形しながら縫い上げて造る流麗なシルエット
深淵なる高級紳士靴の世界では、驚くほど高額な靴も珍しくない。なかでもその筋のツウを唸らせるのが、ホールカットと呼ばれるモデルだ。それは一枚革という意味であり、たった一枚の平面=革を靴職人が立体的に成形しながら縫い上げる靴を指す。そこには最高水準の技術力に加え、大きな面積にキズが少ない極上の革も必要となる。
英国靴の最高峰と呼ばれるジョンロブが、毎年数量限定で展開するイヤーモデル。その2022年モデルである「ヘンリー」は、一見複数のパーツを縫い合わせたように見える。だが、実は複雑な螺旋状にカットした一枚革を職人が手縫いで立体的に縫い上げていく、他にはないホールカットシューズだ。独特の一体感がある流麗なシルエットは、ツウをして最上級と言わしめるに違いない。