人気YouTuberのマネジメントを軸に、新時代の事業を牽引するUUUM代表の鎌田和樹氏。世界的なアーティストや芸能人のスタイリングを手がけるトップスタイリスト櫻井賢之氏が、鎌田氏の革新性を体現するかのようなコンテンポラリーでエレガントな装いへと導く。
人として、企業としてブレずに進化すること
「ジョルジオ アルマーニといえば、1975年のデビュー以来、ソフトコンストラクションスーツに代表される革新的なスタイルを次々と打ちだし、今日まで男のファッションに多大な影響を与え続けている“モードの帝王”。一方で鎌田さんが代表を務められるUUUMも、YouTuberのマネジメント事業を日本でいち早く成功させたパイオニアであり、まだ誰もやっていない新しいことを世に提案するという企業姿勢が共通していると感じたのです」(櫻井氏)
整然と並ぶスーツから1着を吟味し、今回のブランド選定の理由を説明した櫻井氏。経営者が自ら企業姿勢を体現することは、企業のイメージ戦略に少なからず寄与する。だが、それは簡単ではない。普段イタリアンクラシコのスーツを着ているという鎌田氏は、櫻井氏が見立てたジョルジオ アルマーニのスーツに袖を通しながらこう語る。
ジョルジオ・アルマーニの世界観が凝縮された紳士淑女の殿堂「アルマーニ / 銀座タワー」で落ち合った鎌田氏と櫻井氏。
「これまではジョルジオ アルマーニに対し、モードで先鋭的なイメージを勝手に持っていました。ですが、今回初めてスーツを着てみると、思っているほど尖っておらず、普段から着られると感じました。それにとても軽くて締めつけ感がなく、また自分では着ないダブルですが、思った以上にスマートに見えることに驚きました」(鎌田氏)
着る人の個性やプロポーションを美しく引き立てながらも、時代が求める最新の男性像=アルマーニスタイルを確固として感じさせるのがジョルジオ アルマーニの服の真骨頂。そういったブランドとしての一貫した姿勢は、自身のスタイルを構築するうえでの礎にもなるという。
「仕事ができるなと感じる人は、年代や性別関係なく皆お洒落。それは仕事にも影響する感性が表れるからだと思うのですが、自分もそうなりたいですね」という鎌田氏は、櫻井氏のレクチャーに熱心に聞き入る。
「ジョルジオ アルマーニの服は色調が首尾一貫しており、上品でタイムレスなデザインの方向性も不変。こうしたブレないブランドこそ、経営者のスタイルの主軸にふさわしいと思う。時代性や新しさを主張せんがためにトレンドや旬のブランドを追い続けると、人間として、ひいては企業としての軸がブレて見えかねませんから」(櫻井氏)
時代の表層を追うのでも、立ち止まったままでもない。我が道をブレずに歩みながら、進化し続ける。新時代の経営者スタイルのヒントが、ここにある。
「かつての社長はカチッとしたスーツで、ベンチャーが出てきたら皆ジャケパンだった。今はその次の経営者スタイルが求められていると思います。今日はどんな服だって仕事用の“戦闘服”になると気づいたので、これから自分のスタイルを探していきたいですね」(鎌田氏)
重要な席でも威圧感を出さないダブルブレストの価値
「ジョルジオ アルマーニのソフトコンストラクションスーツは、柔軟で快適な着心地に加え、構築的すぎず見た目にもやわらかさを感じさせるのが利点。威圧的になりがちなダブルブレストもどこか柔和さがあり、経営者のワードローブにはぴったりです。ゴルフ好きということで日焼けされ、身体も引き締まっているので、鎌田さんにはやはりネイビーが似合う。スーツからシャツ、タイ、チーフまで柄入りのパターン・オン・パターンの合わせも、色調をブルー系に統一するとシックにまとまります」(櫻井氏)
スーツ¥528,000、シャツ¥92,400、タイ¥24,000、チーフ¥16,500、靴¥81,400(すべてジョルジオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン TEL:03-6274-7070)
ルーズにならないセットアップは旅先で大活躍必至
編集部がリクエストした出張スタイル。完成したのは意外な装いだった。「アルマーニ氏本人が好きなシェブロン柄が織りこまれたカバーオール風のレーヨン×キュプラのセットアップ。このポイントはゆったりとしたシルエットで、鎌田さんはルーズに見えそうでこの手は避けていたとのこと。ですが、セットアップで着るときちんと見えるので、ルーズにはなりません。ゆとりがあるので移動時も楽であり、出張先では上下単品でも着られる。柄同士の合わせはいかにもアルマーニらしいですね」(櫻井氏)
ジャケット¥374,000、パンツ¥168,300、セーター¥124,300、シャツ¥92,400、靴¥132,000、バッグ¥407,000(すべてジョルジオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン)
フォーマルにならないラウンジスーツが使える理由
「ジョルジオ アルマーニにとっては重要な素材である、ヴェルヴェットを用いたラウンジスーツ。スーツとしてはもちろん、上下単品でも着やすいのでお薦めです。アルマーニらしいブラックに近いネイビーであり、肩パッドなどを用いないソフトコンストラクションでやわらかな雰囲気。フォーマルっぽくならず、遊び心のある菱形のドットシャツを合わせれば、レストランやバーなど幅広いシーンで着こなせます。たまにはパートナーとこんな装いで出かけると、気分もリフレッシュできるはず」(櫻井氏)
スーツ¥462,000、シャツ¥104,500、ベルト¥374,000(すべてジョルジオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン)
巨匠得意のスポーティエレガンスな装いが新鮮
「フルジップブルゾンにドローコードつきジョガーパンツのいわゆるセットアップジャージーですが、こんなスポーティなアイテムに、ヴェルヴェットのように艶っぽく高級感のあるベロア素材を採用する点がジョルジオ アルマーニらしい。リゾートシーンではダウンジャケットなどを羽織ってもいいですが、敢えてクラシックなバルマカーンコートを羽織ると、スポーティとエレガンスがほどよいバランスで溶け合う大人らしいリゾートスタイルに。キャップでスポーティさを調整すれば完璧です」(櫻井氏)
コート¥341,000、ブルゾン¥187,000、パンツ¥132,000、キャップ¥66,000、バックパック¥201,300、ブーツ¥184,800(すべてジョルジオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニジャパン)
KAZUKI KAMADA
UUUM 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO。1983年東京都生まれ。2003年大手通信会社に入社し、好成績が認められて携帯販売代理店の責任者に。その後日本のYouTuberの草分け的存在HIKAKINとの劇的出会いを経て、’13年UUUMを設立。クリエイターマネージメント・サポートを中心に、インフルエンサーマーケティングやメディア事業などを展開。
MASAYUKI SAKURAI
1971年東京都生まれ。’94年婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社、名門メンズ誌『MEN’S CLUB』での編集者を経て、2001年フリーランススタイリストとして活動開始。雑誌やカタログ、広告、音楽、芸能など幅広い分野で活躍、MIYAVIや柄本 弾など世界的アーティストや俳優、アスリート等のスタイリングも担当。