鈴木茂、小原礼、林立夫、そして松任谷正隆が集結！
ロックバンド、SKYEがファーストアルバム『SKYE』をリリースする。結成は1968年。オリジナルメンバーは、鈴木茂、小原礼、林立夫。さらに、松任谷正隆が加わった。それぞれ、はっぴいえんど、サディスティック・ミカ・バンド、キャラメル・ママなどでも活躍。約50年間、4人はサポートし合い、日本のロック・ポップシーンを牽引した。
全員御年70。しかし、モノクロのジャケット写真に並ぶ姿は悪ガキのよう。「Less Is More」や「ISOLATION」の演奏はジャケットの印象のとおりアグレッシブ。一方で「川辺にて」「BLUE ANGELS」には、切なさ、儚さがにじむ。
ロックバラード「川辺にて」を聴いて、’76年に解散したアメリカのレジェンド的ロックバンド、ザ・バンドを思いだした。音に土や水の匂いがある。歌うようなアコーディオンや間奏のギターソロに、哀愁を感じた。
SKYEはとてもバンドらしいバンドだ。＂フロントマン&バックバンド＂の編成ではなく、全員が曲を作り、演奏し、歌う。ひとり欠けたら、SKYEの音ではなくなる。何度も集まり音を合わせ、4人だからこそのグルーヴ、バンドサウンドを磨き上げてきた。
『SKYE』
日本コロムビア¥3,300
それぞれの長く濃いキャリアが、音、グルーヴから感じられる。松任谷由実、尾崎亜美、吉田美奈子、矢野顕子など、ゲストも豪華。
Kazunori Kodate
音楽ライター。『新書で入門 ジャズの鉄板50枚+α』『音楽ライターが、書けなかった話』（以上新潮社）『上原ひろみ サマーレインの彼方』（幻冬舎）など著書多数。
